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2018年12月の情報 |
カナダ規制関連情報
医療機器サイバーセキュリティに関する新規ガイダンス草案発行について
2018年12月7日にカナダ保健省より、医療機器のサイバーセキュリティに関する市販前要求事項を明記した新規ガイダンス草案が発行されましたのでご紹介します。
Draft Guidance Document, Pre‐market Requirements for Medical Device Cybersecurity [ PDF 297 kB ]
解説:
カナダ規制上の、医療機器サイバーセキュリティ要求事項の厳格化を示す情報として注目すべき情報と思われます。
本ガイダンス(草案)において、カナダ保健省が、ソフトウェアを含むかソフトウェアによって構成される医療機器のデバイスライセンス発行の際に考慮する重要な点として「サイバーセキュリティ対策」を含めると記載されています。その上で、医療機器製造業者がデバイスライセンス申請(または変更申請)の際に提出すべき、サイバーセキュリティに関する情報についての記載があります。例えば、サイバーセキュリティに関して用いたリスク低減策や、不正アクセスがなされる恐れがないことへの立証をした証拠の提出が必要という記述があります。
なお、 2019年2月5日まで、この新規ガイダンス草案に関するコメントを募集しています。
台湾規制関連情報
医療機器品質管理システム(QMS)の資料要求に関する協力覚書
(略称「医療機器品質管理システム(QMS)に関する協力覚書」)
2018年11月30日に、上記の取り決めが署名されましたのでご紹介します。
解説:
この「医療機器品質管理システム(QMS)の資料要求に関する協力覚書」において「医薬品医療機器総合機構(PMDA)又は登録認証機関が発行したQMS適合性調査報告書及び基準適合証を日本の製造業者が英語又は中国語に翻訳したものを、TFDAが台湾医療機器GMP規則(第2章第3部)に適合している証拠として受け入れる」ということが記載されています。
従来は、日本の製造業者は、TFDAに「QMS文書(品質マニュアルだけでなく、規定書・手順書等も含まれる)」を英訳又は中国語訳して提出する必要がありました。
なお、TFDAによって受容されるのは、TFDAの立会い調査を受けた登録認証機関が発行したQMS適合性調査報告書及び基準適合証に限定されますのでご注意ください。テュフズードジャパンはその対象となっています(他には、テュフラインランドジャパン、BSIグループジャパン、SGS ジャパン)。
関連URL
https://www.koryu.or.jp/news/?itemid=933&dispmid=4259
2018年11月の情報 |
カナダ規制関連情報
2018年10月17日付けでカナダ医療機器規則が改正されています。最新版の内容は、以下のサイトで確認していただくと良いかと思います。
http://www.canlii.org/en/ca/laws/regu/sor-98-282/latest/sor-98-282.html
今回の改正のために発行された「改正のための規則」の文書番号は「SOR/2018-144」です。
解説:
カナダ医療機器規則は「SOR/98-282」という文書番号で1998年にオリジナル版が発行されています。その後の改正はオリジナルの文書番号を維持したまま「改正のための規則」を追加発行することで実施されています。今回の改正では、カナダ医療機器規則の、以下の下線部分の記載が修正されたと思われます。カナダに医療機器を輸出する製造業者において改正があったという事実の把握は必要と考えますが、特に対策を取る必要はないものと思われます。
※改正部分(下線部)
3 (2)
Subsection (1) does not apply to a drug, as defined in subsection 1(2) of the Cannabis Regulations, containing cannabis, as defined in subsection 2(1) of the Cannabis Act, or a drug listed in Schedule E or F to the Act, in the schedule to Part G or J of the Food and Drug Regulations, in the schedules to the Controlled Drugs and Substances Act or in the schedule to the Narcotic Control Regulations.
補足:
32 (f) 項にある「ISO 13485:2003(相当のカナダ規格)の認証書提出」に関わる記載は、今回の改正では ISO 13485:2016 にも、MDSAPにも記載修正がなされませんでした。
韓国規制関連情報
KGMP 運営制度改善による ISO 13485:2016 の適用について
2018年10月1日に、韓国食品医薬品安全省(Ministry of Food and Drug Safety)より意見公募(パブコメ)が発行されましたのでご紹介します。
韓国語原文は以下の URL から入手できます。
http://mfds.go.kr/brd/m_209/view.do?seq=42961&srchFr=&srchTo=&srchWord=%EC%9D%98%EB%A3%8C%EA%B8%B0%EAB8%B0&srchTp=0&itm_seq_1=0&itm_seq_2=0&multi_itm_seq=0&company_cd=&company_nm=&page=1
解説:
韓国で販売される医療機器について、その製造所には「医療機器の製造及び品質管理基準」への適合確認のための査察(俗称 KGMP 査察)が課せられていることが知られています。この意見公募(食品医薬品安全省公告 第 2018-409 号)には、医療機器の適合性認定等審査基準の国際調和を図るため、「医療機器の製造及び品質管理基準」の一部改正案が記されており、2018年11月29日まで意見を募っています。
ISO 13485:2016 を反映させた新設基準「医療機器の適合性認定等審査基準」の査察での適用、実地査察を受ける製造所の定義、書類審査で必要となる提出書類の改善等が改正案では述べられています。
※ お知らせ
上記意見公募につき、現地から規制専門家を招いて、韓国の医療機器品質システム規制に関する特別セミナーを2019年1月29日(火)に開催することになりました。
欧州規制関連情報
欧州ボーダーライン及びクラス分類のマニュアルの更新について
2018年10月に、欧州委員会よりボーダーライン及びクラス分類のマニュアルの第20版が発行されましたのでご紹介します。
解説:
このマニュアルでいうボーダーラインとは、ある製品が規制上 medical device と見なされるか否かの境界という意味です。このマニュアルは欧州医療機器指令(MDD)及び欧州体外診断医療機器指令(IVDD)の下で利用できます。法的拘束力はありませんが、ある製品が medical device とみなされるかどうかについて事例を挙げて検討しており、該当する製品がある場合は参考になると思われます。
今回の改正版では、基礎体温に基づく妊娠/避妊支援を意図する機器、患者が入力したデータを使用した妊娠/避妊を目的とする単体ソフトウェア、人工股関節/人工関節ステム等が新規の例示として取り扱われています。
2018年10月の情報 |
欧州規制関連情報
欧州委員会 WEB サイト新情報
欧州委員会 WEB サイトに 「MDR and IVDR implementing measures rolling plan」 という文書が掲載されていますのでご紹介します。
MDR and IVDR implementing measures rolling plan [ PDF 330 kB ]
参照URL
https://ec.europa.eu/docsroom/documents/31902?locale=en
解説:
MDR/IVDR 関連の今後の計画について現時点での最新情報となります。例えば以下の記載があります。
第2項 単回使用医療機器のリプロセッシングの Implementing Act (施行法):2019年11月
補足:単回使用医療機器のリプロセッシングは、本 Implementing Act が発行されるまで解禁されません。
第3項 医療目的のない機器の Common specifications :2019年11月
補足:医療目的のない機器の審査は、本 Common specifications の発行まで開始されません。
第4項 専門家パネル構築の Implementing Act :2019年 第3 四半期
補足:臨床評価コンサルテーション(実質的に行政による臨床評価の審査)を担当する専門家パネルの構築を、本 Implementing Act の発行後に実施することになります。そのため、専門家パネルが実際に業務を開始できるようになるまで、かなりの期間が必要となると思われます。また業務開始前に臨床評価コンサルテーションの費用を決める必要があります。2019年 第4 四半期がターゲットとされています。
第10項 欧州 UDI システムの Implementing Act :2019年5月
注:欧州 UDI は、米国版とは異なるシステムとして運用されます。その詳細が Implementing Act で明確にされると思われます。またその後、欧州 UDI を発行する機関の指定の実務を開始するようです。欧州 UDI を発行する機関がサービスを開始するまでは、製造業者による欧州 UDI 表示も実施できないことになります。
第11項 EUDAMED
・EUDAMED の機能仕様書を欧州委員会と MDCG が共同で作成:2018年第4四半期中に実施
・EUDAMED の機能仕様書に基づいた監査:2019年第3四半期又は第4四半期
・EUDAMED の Implementing Act の発行:2019年第4四半期
・EUDAMED 稼働開始:2020年5月25日が目標
※ 情報:UDI に関する情報として MDCG から出されている 関するガイダンス文書を以下から入手していただけます。
MDCG 2018-3 (mdcg_2018_3_guidance_udi_spp_en.pdf) [ PDF 332 kB ]
MDCG 2018-4 (mdcg_2018_4_udi_core_spp_en.pdf) [ PDF 299 kB ]
MDCG 2018-5 (mdcg_2018_5_software_en.pdf) [ PDF 343 kB ]
MDCG 2018-6 (mdcg_2018_6_art16_en.pdf) [ PDF 298 kB ]
MDCG 2018-7 (mdcg_2018_7_languages_en.pdf) [ PDF 333 kB ]
米国規制関連情報
「Consensus Standards」 適正運用に関するガイダンス文書について
米国における市販前の 510(k)、PMAの申請を実施する中で、どのように Consensus Standards を用いるかについてのガイダンスが 2018年9月にFDAから発行されましたのでご紹介します。
解説:
米国では市販前申請における Consensus Standards の使用は強制ではありません。ただし、FDAによって認知された Consensus Standards にフルに適合することを適合宣言(DOC)によって示すことにより申請が有利になることが知られています。ただし、規格の不適切な使用によって指摘事項が出る例もあり、適正運用のため本ガイダンスを発行すると記載されています。本ガイダンスでは、認知された Consensus Standards にフルに規格に適合した上で適合宣言(DOC)を提出する方法と規格の一般的な使用方法という二種類の方法が示されています。
さらに、規格が Consensus Standards としてFDAから認知される手続きも記載されています。従来は年2回のFederal Registerでの公示でしたが、オンラインデータベース(下記)でタイムリーな情報提供がなされていると記載されています。
Appropriate Use of Voluntary Consensus Standards in Premarket Submissions for Medical Devices
https://www.fda.gov/ucm/groups/fdagov-public/@fdagov-meddev-gen/documents/document/ucm077295.pdf
Recognized Consensus Standards Search Database
https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfStandards/search.cfm
2018年9月の情報 |
豪州規制関連情報
豪州国外の規制当局・認証機関から発行された市販承認・認証の利用に関するガイダンス文書について
TGA(豪州保健省薬品・医薬品行政局)より、適合性評価手順の簡約化に関する文書が公表されましたのでご紹介します。
解説:
TGA適合性評価手順の簡約化の根拠として、TGAは、次に示す豪州国外のエビデンス資料の受け入れを開始する予定であるとガイダンス文書には記されています。
・欧州ノーティファイドボディから発行されたEC認証書(MDD/IVDD/AIMDD/MDR/IVDR)
・米国 FDA による決定
・カナダ保健省が発行したデバイスライセンス
・日本の行政当局又は登録認証機関による製造販売承認又は認証
・MDSAP認証書と監査報告書
現在、豪州では欧州の EC 認証書を受け入れており、約 95%の医療機器が EC 認証書を用いる形で豪州で登録されています。この受入れ対象の拡張は、大きな柔軟性をもたらすものと考えられます。
豪州規制関連情報
電子取扱説明書について
2018年8月15日にTGA(保健省薬品・医薬品行政局)より、電子取扱説明書(eIFU)に関するガイダンス文書が発行されましたので、ご紹介します。
https://www.tga.gov.au/publication/electronic-instructions-use-eifu
解説:
このガイダンス文書には、豪州市場で医療機器の取扱説明書を電子様式或いはオンライン様式で提供する際に、2002年薬品・医薬品(医療機器)規制(Therapeutic Goods (Medical Devices) Regulations 2002)のSchedule 1の基本原則第13.4項に規定された全ての項目を満たすことを前提として、それ以外に製造業者が従うべき詳細が記載されています。eIFUのみによる情報提供は、医師、歯科医等の専門家による使用を意図した機器のみが対象となり、一般市民に提供される機器及び体外診断機器の場合、eIFUの提供をする場合でも、印刷した取扱説明書(IFU)を提供すべきとしています。
2018年8月の情報 |
規格動向ニュース
2018年7月の情報欄でご紹介した、国際規格、ISO 10993-1:2018(Biological evaluation of medical devices -- Part 1: Evaluation and testing within a risk management process)が「Publication date : 2018-08 」で正式発行の表示になりました。
下記のISO の WEBサイトに情報が出ています。
https://www.iso.org/standard/68936.html
米国規制関連情報
認可/承認済モバイル医療アプリについて
2018年7月25日にFDAより、認可/承認済モバイル医療アプリのリスト最新版が公表されましたのでご紹介します。
https://www.fda.gov/MedicalDevices/DigitalHealth/MobileMedicalApplications/ucm368784.htm
解説:
モバイル医療アプリの急増を反映し、FDAの医療機器関連ホームページの「Digital Health」の中で、1997年以降に 510(k) 認可或いは PMA 承認されたモバイル医療アプリ一覧の最新版が公表されました。この一覧には、血圧計、超音波診断装置、X線画像処理装置、EGC装置、聴診器等が含まれています。製品コードも表記されてため、同等製品の市販前審査申請をする際は、連邦規則によって示されているクラス分類を容易にすると思われます。
欧州規制関連情報
Brexitに関する欧州委員会からの欧州事業者への通知について
2018年7月に欧州委員会より、欧州事業において英国の欧州離脱への準備が差し迫っていることを伝える文書が出されましたので、ご紹介します。
文書名:SEVEN THINGS, BUSINESSES IN THE EU27 NEED TO KNOW In order to prepare for Brexit
解説:
本文書では、2019年3月30日までに英国のEU離脱協定が定まらない場合は、移行期間無く同日をもって欧州法令上、英国は第三国の扱いとなるとされています(もしそれまでに離脱協定が定められた場合は、2020年末まで移行期間となります)。
その場合、医療機器においても、英国に籍を置くノーティファイドボディが発行した認証書は、英国EU離脱後、無効になるため、EU加盟国 27か国に籍を置く機関が発行する認証書へ移行するか、或いは新規の認証書を取得する必要性があるとされています。
厚生労働省関連情報
厚生労働省発出の新しい通知をご紹介します。
平成30年7月24日
薬生機審発0724第1号
薬生案発0724第1号
医療機器のサイバーセキュリティの確保に関するガイダンスついて
解説:
本通知の発行は、医療機器のサイバーセキュリティの確保に関する日本の規制上の新しい動きと言えると思われます。2015年に「医療機器のサイバーセキュリティの確保について」という通知が出されていますが、2015年の通知は医療機器のサイバーセキュリティに関する注意喚起が主目的と思われる内容で、具体的な点については、その通知の中で将来的なガイダンスの発行が予告されていました。今回の通知はそれに相当します。
薬生機審発0724第1号 / 薬生案発0724第1号 [ PDF 364 kB ]
2018年7月の情報 |
米国規制関連情報
国際規格 ISO 18562 の FDA認知規格(consensus standards)への新規登録について
2018年6月7日に、医療分野における呼吸ガス経路の生体適合性評価に関する国際規格 ISO 18562 が、FDAから発行された公示「Recognition List Number: 049」において、FDA認知規格(consensus standards)として登録されています。
https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2018-06-07/pdf/2018-12222.pdf
解説:
呼吸ガス経路の生体適合性評価とは、主に、呼吸ガス経路に放出される可能性のある化学物質と粒子の測定です。この規格は、呼吸ガス経路と接触する可能性のあるすべての医療機器、部品、アクセサリに適用されます(例:人工呼吸器、麻酔装置、呼吸システム、酸素維持装置、酸素濃縮装置、噴霧器、低圧ホース、人工鼻、呼吸ガスモニター、呼吸モニター、マスク、マウスピース、蘇生バッグ、呼吸チューブ、呼吸システムフィルターとYピース、その他多くのアクセサリ)。
規格動向ニュース(2件)
国際規格、ISO 10993-1:2018(Biological evaluation of medical devices -- Part 1: Evaluation and testing within a risk management process)が、2018年7月に「60.00」の「Internal Standard under publication」 の状態となりました。ISO の WEBサイトに情報が出ています。
規制対策の上でも、非常に重要な位置付けにある国際規格と思われますのでご紹介します。
https://www.iso.org/standard/68936.html
医療機器のサイバーセキュリティに関して、米国で、2018年6月に ANSI UL 2900-2-1 が FDA Recognized consensus standard として指定されました。
解説:
医療機器のサイバーセキュリティについては、既に 2017年8月21日に ANSI UL 2900–1 が FDA recognized consensus standard として指定されています。今回、ANSI UL 2900-2-1 が、その Particular Requirements として、追加で FDA recognized consensus standard に指定されました。
https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2018-06-07/pdf/2018-12222.pdf
2018年6月の情報 |
欧州規制関連情報
RoHS指令 2011/65/EU 適用除外製品の変更に関するパブコメについて
2018年6月18日に、欧州委員会より RoHS指令 2011/65/EU の附属書 III における適用除外製品の変更に関する提案が発表されましたのでご紹介します。
http://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/initiatives/ares-2018-3211359_en
解説:
従来より、当該指令の附属書 III の Exemption 18(b) では、日焼け用照明器具に用いられる放電ランプの蛍光粉末内に活性化剤として含まれる鉛が適用除外製品として規定されていました。今回、医療用光線治療器に用いられる放電ランプの蛍光粉末内に活性化剤として含まれる鉛も、Exemption 18(b)-I として適用除外製品に追加されました(適用除外失効期日:2021年7月21日)。コメントは、2018年7月16日まで受付とされています。
米国規制関連情報
米国 FDA による医療用画像分析器のクラス引き下げに関するパブコメについて
2018年6月4日に、米国 FDA より医療用画像分析器の再クラス分類に関するパブコメが出されましたのでご紹介します。
解説:
対象となる分析器は、乳がん診断用マンモグラフィー装置、乳房病変診断用超音波装置、肺結節診断用X線装置、虫歯検出用X線装置に適用する医療用画像分析器で、臨床医による患者画像の解釈の際に異常状態を示し得る画像部分に臨床医の注意を向けさせることを意図した機器です。提案では、該当する機器のクラス分類が Class III から Class II へ引き下げられることにより、産業界にとっての規制の重荷が低減されると述べられています。本件に対するコメントは、2018年8月3日まで受け付けることとされています。
米国規制関連情報
米国 FDA による ISO 13485:2016 要求事項採用の検討について。
米国現政権より発行された規制改革計画の中に、医療機器品質システム規制要求事項の協調化・近代化が含まれていましたのでご紹介します。
https://www.reginfo.gov/public/do/eAgendaViewRule?pubId=201804&RIN=0910-AH99
解説:
この規則案は、米国 QSR(品質システム規則)21 CFR Part 820 の要求事項を ISO 13485:2016 に置き換えるというものです。日本、欧州、カナダ及びオーストラリアを含む国や地域の医療機器規制当局が、ISO 13485 を規制要求事項として用いています。米国 FDA が ISO 13485 を規制に導入することは、医療機器メーカーにとって、米国市場への手続きがその他の主要市場への手続きにより近接することを意味します。
欧州規制関連情報
CAMD による MDR/IVDR の FAQ 文書
欧州からの情報として、下記の2つの文書をご紹介します。
CAMD Transition Sub Group FAQ – MDR Transitional provisions [ PDF 321 kB ]
CAMD Transition Sub Group FAQ – IVDR Transitional provisions [ PDF 310 kB ]
CAMD(Competent Authorities of Medical Devices)とは、欧州加盟国の医療機器行政当局によって構成されたグループの名称となります。MDR/IVDR の運用上の疑問点について CAMD より FAQ 文書が発行され、入手できるようになりましたのでご紹介します。
解説:
この文書で、驚くような新情報が提供されているわけではありませんが、MDR/IVDR の運用・解釈上の疑問となりうるポイントについて詳細に解説がなされています。例えば、以下のような質疑が掲載されています。
質問:MDD と MDR で異なるクラス分類になる機器がある(例:MDD では Class IIa だが MDR では Class III となるというように)。また MDR の適用日(2020年5月26日)以降、MDD への適合により機器の販売を継続する場合は、MDR の市販後の要求事項に従うこととされている。その際、MDR の市販後の要求事項は、その医療機器の MDD のクラス分類(例:Class IIa)に基づいて適用されるのか、 MDR のクラス分類(Class III)になるのか?(例:PSURのように市販後の要求事項でクラスによって要求内容が異なる場合)
回答:その場合は、MDDのクラス分類が適用される。
また、Significant Change の解釈について、ケース・バイ・ケースの判断になるという前提の上で、以下は Significant Change とは見なさない、という記載があります。
・意図された使用目的の限定(削減)
・是正処置のための設計変更で、行政当局が評価して受け入れたもの
欧州規制関連情報
欧州ボーダーライン及びクラス分類のマニュアルの更新について
2018年4月に、欧州委員会よりボーダーライン及びクラス分類のマニュアルの第19版が発行されましたのでご紹介します。
https://ec.europa.eu/docsroom/documents/29021
解説: このマニュアルでいうボーダーラインとは、ある製品が規制上 medical device と見なされるか否かの境界という意味です。
このマニュアルは欧州医療機器指令(MDD)及び欧州体外診断医療機器指令(IVDD)の下で利用できます。法的拘束力はありませんが、ある製品が medical device とみなされるかどうかについて事例を挙げて検討しており、該当する製品がある場合は参考になると思われます。
今回の改正版では、新骨形成のための骨格を作る骨空隙充填材、鎮痛・手術後の浮腫止め・リウマチ疾患や筋損傷の治療或いは炎症の削減の用途として人体に約-110℃の極寒気を提供する寒冷療法チャンバー等が新規の例示として取り扱われています。
2018年5月の情報 |
米国QSRの 2015-2017年 改正について
セミナーご参加の方より、2015-2017年に実施された米国QSR一部修正についてお問い合わせがありましたので、以下にご説明します。FDAは、QSRの修正点が明示された資料を提供していませんが、以下であると思われます。
Sec. 820.1 Scope.(適用範囲)
(e) Exemptions or variances, (1)
→ FDAの問い合わせ窓口の住所、電話番号の変更を反映したもの。
Sec. 820.3 Definitions.(定義), (bb)(cc)(dd)
→ 用語の定義の追加で要求事項の変更ではない。主にUDI関連。
Sec. 820.120 Device labeling.(機器のラベリング), (b)
→ 医療機器のラベリングにUDI(or UPC)の記載を追加。
Sec. 820.184 Device history record.(機器履歴簿 / DHR), (f)
→ DHRに含めるべき記録にUDI(or UPC)の記載を追加。
Sec. 820.200 Servicing(サービス), (d)
→ サービス記録にUDI(or UPC)の記載を追加。
解説:
QSRは、QSR要求事項そのものの強化・変更等を意図した主体的な形での規則改正はこれまで実施されていないと思われます。ただし、他の規制の導入に伴うQSRの関連記載部分の見直しや、一部記載の修正はこれまでにも実施されております。
上記も主に米国におけるUDI(機器固有識別)の導入をQSRの記載に反映させたものとなります。UDIの移行期間終了までに米国におけるUDI導入を実施することは、QSRの改正の有無にかかわらず、いずれにしても必須事項となります。
※ QSR(Part 820)を含む、米国の Code of Federal Regulations 最新版閲覧はこちら。
※ UDIに関する情報はUDIのガイダンス文書(下記)より得られます。
※ 本記事で「2015-2017年に実施された」と記載すべきところ、初掲載時には「2017年に実施された」なっておりました。訂正いたします。
米国食品医薬品局(FDA)による510(k)申請のガイダンス改定草案について
2018年4月12日に、FDAより510(k)申請プログラム拡張に関するガイダンス改定草案が発行されましたので、ご紹介します。
現行の510(k)申請においては、申請製品と既に米国で合法的に販売されている製品との間で、特定の性能基準に関する直接比較が必要とされています。そのため、類似していない或いは時代遅れの技術や設計が取り込まれた製品が参照されていたケースが幾つかあったようです。このガイダンス改定草案では、実質的同等性要件を支持するために要求された性能特性全てを申請製品は満たしていることを立証するために、FDA公認の合意規格(consensus standards)、FDAガイダンス及び特別管理項目への適合といった方法の利用を許容しています。
2018年4月の情報 |
PMDA による審査手続き等の手数料改定について
PMDA (医薬品医療機器総合機構) による医療機器及び体外診断用医薬品等の審査及び調査の手数料が改定されましたので、ご紹介します。
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/procedures/0034.html
解説:
手数料改定となった医療機器及び体外診断用医薬品に関する手続きは、製造販売承認審査、製造販売承認事項一部変更承認審査及び書面適合性調査等です。手数料は、8%から15% の範囲で値上げされました。
新手数料は、PMDA が 2018年4月2日以降に受け付けたものが対象となります。
カナダ保健省によるMDSAP移行の要件緩和に関する通知について
2018年4月13日に、カナダ保健省より MDSAP への移行要件の転換に関する通知が発行されましたので、ご紹介します。
解説:
医療機器製造業者は、カナダ市場にて製品を合法的に販売するために、2018年12月31日までに MDSAP 認証書を提出することが求められています。しかし、カナダ保健省は、同日までに製造業者が MDSAP 監査を受けたことを立証できれば、MDSAP 認証書がなくとも製造業者に対して強制措置を施さないと決定しました。
更にこの通知では、CMDCAS 認証の定期 (サーベイランス )監査中での MDSAP への移行を許容するための手続きを定めています。
2018年3月の情報 |
厚生労働省関連情報
厚生労働省発出の新しい通知をご紹介します。
薬生監麻発0329 第10号
薬生機審発0329 第1号
平成 30年 3月 29日
MDSAP Pilot の調査結果の試行的受入れ期間の再延長と本格運用後の MDSAP の調査結果の試行的受入れ期間の延長について
解説:
厚生労働省が、MDSAP の調査結果の「試行的受入れ」を平成 31年 3月 31日まで延長するということを示しました。
薬生監麻発0329 第10号 / 薬生機審発0329 第1号 [ PDF 65 kB ]
対訳版 ISO 13485:2016 実践ガイド 書籍発刊情報
「ISO 13485:2016 医療機器における品質マネジメントシステム実践ガイド ISO/TC 210 からの助言」 の対訳版書籍の発刊に関する情報をお知らせします。
書名: ISO 13485:2016 医療機器における品質マネジメントシステム 実践ガイド ISO/TC 210からの助言
定価: 9,180円 (税込)
著者表記: 日本医療機器産業連合会、ISO/TC210 国内対策委員会 監訳
発行日: 2018年3月15日
参考: 日本規格協会のウェブサイト
https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0100/index/?syohin_cd=340279
医薬品医療機器法関連情報
医薬品医療機器法に関する通知をご紹介します。
薬生機審発0301第1号
平成30年3月1日
医療機器の電磁両立性に関する日本工業規格の改正の取扱いについて
解説:
下欄でEMC規格、JIS T0601-1-2:2018 の発行についてお知らせしましたが、日本の規制上の JIS T0601-1-2:2018 の取扱いについては厚生労働省から通知が出されていますので、あわせてご紹介します。本通知で新規格への移行時期、経過措置期間などが示されています。
※ お知らせ
JIS T0601-1-2:2018 の日本の法規制上の適用につき、2018年3月27日開催の IEC 60601-1-2 第4版入門セミナー のプログラム内容に急遽追加して解説することになりました。あわせてカナダ、米国、欧州の法規制における IEC 60601-1 第4版の適用時期についてもご説明します。
https://www.tuv-sud.jp/jp-jp/activity/training/infoservice/schedule/1803-op-iec60601-1-2
JIS 規格情報
ISO 13485:2016 の JIS 版である JIS Q 13485:2018 が、3月1日付けで発行されました。
なお同日併せてEMC規格、JIS T0601-1-2:2018 も発行されています。
参考: 日本規格協会のウェブサイト
JIS Q 13485:2018
https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/index/?bunsyo_id=JIS Q 13485:2018
JIS T0601-1-2:2018
https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/index/?bunsyo_id=JIS T 0601-1-2:2018
2018年2月の情報 |
インド規制関連情報
2017年7月の情報欄でもご紹介しましたが、従来、インドでは 「医薬品化粧品法(Drugs and Cosmetics Act)」 により、医療機器は便宜上医薬品と同じ扱いで規制されていました。
しかし、2018年1月1日より 「Medical Devices Rules, 2017」 という新しい医療機器(IVD を含む)が発効され、全ての医療機器が対象となる新しい規制スキームが動き出しています。
まず製品に関わる要求事項として 「基本要件」 が導入され、新しいクラス分類のルールも導入されています。その上で、低~中リスクの医療機器については第三者機関(Notified Body)への申請が、高いリスクの医療機器は行政当局への申請が必要とされています。
新しい規制の運用については不明瞭な点が多く、テュフズードの現地オフィスに情報収集を依頼しております。
※ 4月20日に、現地から規制専門家を招いて新規制についての解説をする場を設けることにいたしました。
現地から来た規制専門家から確実な情報を入手する機会として、ぜひお役立てください。
インド医療機器関連規制セミナー (2018年4月20日開催)
Medical Devices Rules, 2017 [ PDF 3035 kB ]
2018年1月の情報 |
欧州規制関連情報
欧州の最新情報として、下記の2つの文書をご紹介します。
BREXIT(英国の EU 離脱)の際の、医療機器を含めた工業製品の EU 市場での流通についての影響について、欧州委員会の見解を示した文書です。
解説:
BREXIT(英国の EU 離脱)の影響が不明瞭という中で、EU の意思決定を司る立場の欧州委員会が、現状の解釈を示した文書となります。
英国と EU の交渉は現在も続いており「今後英国離脱に関して何等かの合意書が批准されなければ」という前提付きの記述とはなりますが、本文書では 、EU が英国に対して特別扱いしない、厳しい対応をするという意志が伺われる記載があります。以下は記載内容の抜粋となります。
2019年3月30日、午前0時より、 EU の規制は英国に適用されなくなり、英国は単に「第三国」とみなされる
CAMD(Competent Authorities of Medical Devices)とは欧州加盟国の医療機器行政当局によって構成されたグループの名称となります。MDR/IVDR の運用上の課題ついて、対策を優先度付きでリストアップした資料が公開されています。
解説:
各種のアクティビティの中で優先度が高いものとして、例えば、臨床評価における同等性、確立された技術、臨床的証拠とは何か?(どのレベルまで求められるか)を明確化するためのガイダンスなどが記載されています。IVDR関連では、クラス分類のガイダンス及び欧州標準試験所(EU reference lab.)指定が優先度が高い課題とされています。また SSCP(安全性と臨床性能のサマリー)などいくつかの必須文書については、統一テンプレートを作成する構想があることがわかります。
欧州規制関連情報
欧州ボーダーライン及びクラス分類のマニュアルの更新について
2017年12月に、欧州委員会よりボーダーライン及びクラス分類のマニュアルの第18版が発行されましたのでご紹介します。
MANUAL ON BORDERLINE AND CLASSIFICATION IN THE COMMUNITY [ PDF 744 kB ]
解説:このマニュアルでいうボーダーラインとは、ある製品が規制上 medical device と見なされるか否かの境界という意味です。例えば、コンタクトレンズは medical purpose がなければ基本的には medical device ではないが、UV blocking の機能がある場合は眼球保護という medical purpose があるとみなしうるというように例示を基にした解説があります。
このマニュアルは欧州医療機器指令(MDD)及び欧州体外診断医療機器指令(IVDD)の下で利用できます。法的拘束力はありませんが、ある製品が medical device とみなされるかどうかについて事例を挙げて検討しており、該当する製品がある場合は参考になると思われます。今回の改正版では、心臓バイパスカニューレ、医療用途のヒト由来細胞及び組織の凍結保存用液体窒素、ほくろの画像管理用途のモバイルアプリケーションなどが新規の例示として取り扱われています。
大韓民国の IMDRF 運営委員への加入について
2017年12月11日付けで、大韓民国の医療機器規制当局である MDFS (Ministry of Food and Drug Safety) の IMDRF 運営委員への加入が公式発表されましたので、ご紹介します。
http://www.imdrf.org/about/about.asp#mcm
解説:大韓民国は、米国、欧州連合、カナダ、オーストラリア、日本、中国、ブラジル、ロシア、シンガポールに続く10番目の加盟国となりました。MDFS は、医療機器単一審査プログラム(MDSAP)への参加を目指しているものと思われます。
参考資料: MFDS の医療機器安全局からの通知 (韓国語) [ PDF 274 kB ]
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