欧州体外診断用医療機器規則 (IVDR)

医療機器市場における承認に確信を

医療機器市場における承認に確信を

欧州体外診断用医療機器規則(IVDR)を理解する

IVDRとは、欧州市場に体外診断用医療機器を上市し、利用を可能にし、サービスを開始するための現行の規制基準です。IVDRは2017年5月5日にEU官報に掲載され、2017年5月26日に発効し、欧州の体外診断用医療機器に関する旧指令(98/79/EC)を徐々に置き換えるものです。

欧州の規制であるため、EU加盟国およびEFTA加盟国において、それぞれの国の法律に移行する必要なく直ちに効力を発揮しますが、一部の要件をより詳細に裏付けるために国内法が適応される可能性があります。

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重要な変更点 

IVDRは、以前の体外診断用医療機器に対する欧州指令と比較し、いくつかの重要な点で異なります。規則の最も重要な変更点は次のとおりです。 

  • 製品範囲の拡大 -IVDRの対象となる体外診断用機器の範囲が大きく拡大され、単一の医療機関で使用するために製造された高リスクの機器、ならびに(インターネット経由を含む)診断サービス、遺伝子検査、および特定の疾患に罹患しやすい性質や治療への感受性に関する患者情報を取得するその他の検査にまで拡大されました。
  • 機器の再クラス分類 ーIVDRは、医療機器規則国際整合化会議(GHTF)に準ずる体外診断用機器のクラス分類構造を採用しています。リスククラスは、低リスク機器であるクラスAから、患者と公衆に対して最も高いリスクをもたらす機器となるクラスDまでに分類されます。IVDRでは、体外診断用機器をリストではなくそれぞれのリスクレベルに応じて適切に分類する具体的ルールも提供されます。
  • 「規制遵守責任者」の任命 -体外診断用医療機器製造業者は、新規則の要求事項を遵守するさまざまな側面に対して、最終的に全ての責任を負う人物を、組織内で最低1名特定する必要があります。また、組織はその人物の特定の資格について、要求される業務に応じて文書化する必要があります。
  • ノーティファイドボディによる関与の増加 ーIVDRのリスク分類スキームに関しては、非滅菌のクラスAの機器を除き、ノーティファイドボディによる関与が必要です。その結果、現在の15%未満と比較して、すべての体外診断用機器の約90%がノーティファイドボディによる審査の対象となります。同時に、IVDRに基づくノーティファイドボディの指定と監視の要求事項は非常に厳しくなりました。
  • 機器の固有識別子の実施 ーこの規則では、機器の固有識別子(UDI)の使用を義務付けています。本要求事項により、製造業者がサプライチェーンを通じて特定の機器を追跡する能力が向上し、安全リスクが発覚したIVD機器に対し迅速かつ効率的なリコールを促進することができるようになります。
  • 技術文書および臨床評価に課されるより厳しい要求 ー技術文書の内容に関して、より詳細な情報を盛り込まなければなりません。IVDRは機器製造業者に対して、機器のリスククラス分類に応じた安全性および性能に関するエビデンスを提供するために、臨床性能試験の実施を要求しています。また、潜在的な安全性リスクの継続評価の一環として、機器の製造業者は市販後の臨床データの収集、保持も求められます。
  • ノーティファイドボディの監視強化 ー管轄当局およびレファレンスラボ(指定された場合)は、高リスク機器の適合性評価への関与を求められる可能性があり、その結果として適合性評価手順が長期化します。ノーティファイドボディの指定が厳格化されることで、利用可能なノーティファイドボディが減少します。 
  • 「既得権」に関する項目は無し ーすでに承認されている体外診断用医療機器であっても、IVDRの下で新しい要求事項に従い再認証が必要です。過去に承認されている機器の製造業者は、2022年5月26日までにIVDRの新しい要求事項への準拠を実証しなければなりませんでしたが、特定の状況下では移行期間の延長が可能です(移行期限の詳細については下記の「移行タイムライン」の項をご参照ください)。

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適合性評価手順

医療機器の開発プロセスが複雑なことと、新しい用件への対応の検討、および認証の取得等を考え合わせると、ほぼ全ての機器の製造業者にとって移行プロセスが複雑かつ時間のかかるものとなるでしょう。さらに、これまでに認証を受けている機器も新規制の対象であり、再度認証を受ける必要があります。

製造業者は、自社の製品分類に基づき、該当する適合性評価手順を申請する必要があるため、ここで各手順の詳細説明を記載しています

 

移行タイムライン

2022年1月25日付の欧州議会および理事会規則(EU)2022/112によると、移行期限は、現行の指令と将来の規則に基づくIVD機器のクラスおよび追加条件によって異なります。

  • 2022年5月26日以前に自己宣言された(すなわち、ノーティファイドボディが関与しない)ものとして欧州市場に出された機器で、規則に基づいてノーティファイドボディの関与を必要とするものは、以下の日付まで、指令に基づいて上市または使用開始することができます:
  • 2025年5月26日 クラスD機器
  • 2026年5月26日 クラスC機器
  • 2027年5月26日 クラスB機器および無菌状態で上市されたクラスA機器
  • 2022年5月26日以前にノーティファイドボディの認証書によって欧州市場に出された機器は、2025年5月25日まで指令の下で上市または使用開始することができます。

IVDR移行規定に関する2022/112規則のタイムラインの概要は、以下のグラフをご参照ください。

 

追加条件は、機器の設計や使用目的に大きな変更がなく、IVDR 110 条 3 項にあるように IVD 指令の要求事項を満たし続けることです。

ただし、IVDRの一部の要求事項(例:市販後調査、ビジランス、エコノミックオペレータの登録、市場調査)は、IVDR第110条3項に基づき、IVDR の適用日から適用されます。

経過措置の適用を受けるために必要な条件は、以下をご参照ください。

 

IVDRに向けた準備

IVDRの適用日はすでに過ぎていますが、実施法令と委任法令(Implementing and Delegated Acts)、またガイダンス文書は現在も発行されています。体外診断用機器の製造業者には、これらの法令及びガイダンスについて引き続き最新情報を取得することをおすすめします。

ほとんどのIVD機器に対して、ノーティファイドボディによる審査および承認が必要となるため、審査と承認プロセスの遅延を考慮する必要があります。したがって、現在承認されている医療機器の製造業者に対しては、潜在的な問題を評価し、迅速に対処する計画を立てるために、それぞれのノーティファイドボディと協議することをおすすめします。新しい要求事項へのスムーズな移行を達成するためには、事前準備と迅速な行動が重要です。

 

テュフズードのサービス

テュフズードプロダクトサービスは、EUの指令と規制の対象となるあらゆる医療機器に関する欧州の世界最大ノーティファイドボディとして、IVDRのノーティファイドボディとして指定されています。新しい法規制のもと、ノーティファイドボディにはより厳しい要求が課せられます。そして、すべての既存のノーティファイドボディは新たにノーティファイドボディとして指定を受ける必要があります。そのため、医療機器の製造業者にとって、新しい法規制のもとでもその地位を維持したノーティファイドボディとの連携が必要になります。

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IVDR FAQ

  • 上市(市場に出す)とはどのような状態を意味しますか?

    「市場に出す (Placing on the market)」とは、製造業者または輸入業者によって機器が製造され、異なる法人に販売されることを意味しますが、必ずしも物理的に移動するとは限りません。その後の作業、たとえば販売店からエンドユーザへの作業は、「市場で入手可能にする(making available)」として定義されます。「市場に出す」と「市場で入手可能にする」は、どちらも個々の機器を対象としており、機器のタイプや、個別のユニット又はシリーズとして製造されたかどうかは関係ありません。

    したがって、IVDR適用日以前にある機器モデルまたはタイプが供給されていたとしても、適用日以降に市場に出された同じモデルやタイプの個々の機器は、IVDRの要求事項に適合しなければなりません。

  • 体外診断用医療機器の製造業者にとって、IVDRはどのような意味を持ちますか?

    IVDRは、EUにおける体外診断用医療機器の規制要件に多くの変更をもたらしました。

    これらの変更は、新しい要求事項を満たすために、製造業者からの大きな投資(時間、資源、予算)を必要とします。さらに、ガイダンス文書、実施法、委任法はまだ公表されていません。体外診断用医療機器の製造業者は、IVDRの改正内容を常に把握し、ノーティファイドボディと協力して、IVDRの適用日より前にタイムリーな自社製品の審査および承認を確実にすることをおすすめします。

  • IVDRについてより詳しい情報を知りたいのですが。

    テュフズードの LinkedIn Healthcare & Medical Devices ページ より、最新情報を入手いただけます。またテュフズードのウェブサイト「欧州体外診断用医療機器規則(IVDR)」でも情報入手が可能です。医療機器調整グループ(MDCG)が公開するガイダンス文書は、欧州委員会のウェブサイトをご覧ください。

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