医療機器市場における承認に確信を
医療機器市場における承認に確信を
IVDRとは、欧州市場に体外診断用医療機器を上市し、利用を可能にし、サービスを開始するための現行の規制基準です。
IVDRは2017年5月5日にEU官報に掲載され、2017年5月26日に発効し、欧州の体外診断用医療機器に関する旧指令(98/79/EC)を徐々に置き換えるものです。
欧州の規制であるため、EU加盟国およびEFTA加盟国において、それぞれの国の法律に移行する必要なく直ちに効力を発揮しますが、一部の要件をより詳細に裏付けるために国内法が適応される可能性があります。
EU規則2023/607に基づき、IVDR第110条4項の「販売終了日」が廃止されました。
これにより、既に上市されている体外診断用機器を廃棄することなく市場に残すことが可能です。
これは、機器が元々、IVD指令(IVDD)の下での従来の法的要件に準拠していた場合にのみ可能です。
移行期間は、現行の指令および規則2017/746に基づく体外診断用機器のクラス、ならびに以下のセクションに示す追加条件によって異なります。
IVDR移行規定に関する2022/112規則のタイムラインの概要は、以下のグラフをご参照ください。
追加条件は、機器の設計や使用目的に大きな変更がなく、IVDR 110 条 3 項にあるように IVD 指令の要求事項を満たし続けることです。
ただし、IVDRの一部の要求事項(例:市販後調査、ビジランス、エコノミックオペレータの登録、市場調査)は、IVDR第110条3項に基づき、IVDR の適用日から適用されます。
経過措置の適用を受けるために必要な条件の要約は、以下をご参照ください。
IVDRの適用日はすでに過ぎていますが、実施法令と委任法令(Implementing and Delegated Acts)、またガイダンス文書は現在も発行されています。体外診断用機器の製造業者には、これらの法令及びガイダンスについて引き続き最新情報を取得することをおすすめします。
ほとんどのIVD機器に対して、ノーティファイドボディによる審査および承認が必要となるため、審査と承認プロセスの遅延を考慮する必要があります。したがって、現在承認されている医療機器の製造業者に対しては、潜在的な問題を評価し、迅速に対処する計画を立てるために、それぞれのノーティファイドボディと協議することをおすすめします。新しい要求事項へのスムーズな移行を達成するためには、事前準備と迅速な行動が重要です。
テュフズードプロダクトサービスは、EUの指令と規制の対象となるあらゆる医療機器に関する欧州の世界最大ノーティファイドボディとして、IVDRのノーティファイドボディとして指定されています。新しい法規制のもと、ノーティファイドボディにはより厳しい要求が課せられます。そして、すべての既存のノーティファイドボディは新たにノーティファイドボディとして指定を受ける必要があります。そのため、医療機器の製造業者にとって、新しい法規制のもとでもその地位を維持したノーティファイドボディとの連携が必要になります。
医療機器の開発プロセスが複雑なことと、新しい要件への対応の検討、および認証の取得等を考え合わせると、ほぼ全ての機器の製造業者にとって移行プロセスが複雑かつ時間のかかるものとなるでしょう。さらに、これまでに認証を受けている機器も新規制の対象であり、再度評価と認証を受ける必要があります。
製造業者は、自社の製品分類に基づき、該当する適合性評価手順を申請する必要があるため、ここで各手順の詳細説明を記載しています(URL)。
テュフズードに正式なIVDR申請を提出する前に構造化された対話を行う目的は、申請プロセスとフォーム、及び提出書類のタイミング、手続き、規制の側面を明確にすることです。
構造化された対話は、適合性評価の申請前のお客様との会議に限定され、評価とは無関係です。従って、弊社の独立性、公平性、客観性を最大限示すために、構造化された対話サービスはIVDRフレームワーク合意書とは独立して発注されるものとします。
以下のタブを展開すると、可能なトピック、プロセス、及び構造化された対話の申請方法を確認できます。
申請及びオンボーディング
製造業者のトピック
適合性評価手順
テュフズードノーティファイドボディの既存のお客様:
テュフズードへの申請を検討中のお客様:
IVDRは、以前の体外診断用医療機器に対する欧州指令と比較し、いくつかの重要な点で異なります。規則の最も重要な変更点は次のとおりです。
IVDRの対象となる体外診断用機器の範囲が大きく拡大され、単一の医療機関で使用するために製造された高リスクの機器、ならびに(インターネット経由を含む)診断サービス、遺伝子検査、および特定の疾患に罹患しやすい性質や治療への感受性に関する患者情報を取得するその他の検査にまで拡大されました。
IVDRは、医療機器規則国際整合化会議(GHTF)に準ずる体外診断用機器のクラス分類構造を採用しています。リスククラスは、低リスク機器であるクラスAから、患者と公衆に対して最も高いリスクをもたらす機器となるクラスDまでに分類されます。IVDRでは、体外診断用機器をリストではなくそれぞれのリスクレベルに応じて適切に分類する具体的ルールも提供されます。
体外診断用医療機器製造業者は、新規則の要求事項を遵守するさまざまな側面に対して、最終的に全ての責任を負う人物を、組織内で最低1名特定する必要があります。また、組織はその人物の特定の資格について、要求される業務に応じて文書化する必要があります。
IVDRのリスク分類スキームに関しては、非滅菌のクラスAの機器を除き、ノーティファイドボディによる関与が必要です。その結果、現在の15%未満と比較して、すべての体外診断用機器の約90%がノーティファイドボディによる審査の対象となります。同時に、IVDRに基づくノーティファイドボディの指定と監視の要求事項は非常に厳しくなりました。
この規則では、機器の固有識別子(UDI)の使用を義務付けています。本要求事項により、製造業者がサプライチェーンを通じて特定の機器を追跡する能力が向上し、安全リスクが発覚したIVD機器に対し迅速かつ効率的なリコールを促進することができるようになります。
技術文書の内容に関して、より詳細な情報を盛り込まなければなりません。IVDRは機器製造業者に対して、機器のリスククラス分類に応じた安全性および性能に関するエビデンスを提供するために、臨床性能試験の実施を要求しています。また、潜在的な安全性リスクの継続評価の一環として、機器の製造業者は市販後の臨床データの収集、保持も求められます。
管轄当局およびレファレンスラボ(指定された場合)は、高リスク機器の適合性評価への関与を求められる可能性があり、その結果として適合性評価手順が長期化します。ノーティファイドボディの指定が厳格化されることで、利用可能なノーティファイドボディが減少します。
すでに承認されている体外診断用医療機器であっても、IVDRの下で新しい要求事項に従い再認証が必要です。過去に承認されている機器の製造業者は、2022年5月26日までにIVDRの新しい要求事項への準拠を実証しなければなりませんでしたが、特定の状況下では移行期間の延長が可能です(移行期限の詳細については下記の「移行タイムライン」の項をご参照ください)。
「市場に出す (Placing on the market)」とは、製造業者または輸入業者によって機器が製造され、異なる法人に販売されることを意味しますが、必ずしも物理的に移動するとは限りません。その後の作業、たとえば販売店からエンドユーザへの作業は、「市場で入手可能にする(making available)」として定義されます。「市場に出す」と「市場で入手可能にする」は、どちらも個々の機器を対象としており、機器のタイプや、個別のユニット又はシリーズとして製造されたかどうかは関係ありません。
したがって、IVDR適用日以前にある機器モデルまたはタイプが供給されていたとしても、適用日以降に市場に出された同じモデルやタイプの個々の機器は、IVDRの要求事項に適合しなければなりません。
IVDRは、EUにおける体外診断用医療機器の規制要件に多くの変更をもたらしました。
これらの変更は、新しい要求事項を満たすために、製造業者からの大きな投資(時間、資源、予算)を必要とします。さらに、ガイダンス文書、実施法、委任法はまだ公表されていません。体外診断用医療機器の製造業者は、IVDRの改正内容を常に把握し、ノーティファイドボディと協力して、IVDRの適用日より前にタイムリーな自社製品の審査および承認を確実にすることをおすすめします。
テュフズードの LinkedIn Healthcare & Medical Devices ページ より、最新情報を入手いただけます。またテュフズードのウェブサイト「欧州体外診断用医療機器規則(IVDR)」でも情報入手が可能です。医療機器調整グループ(MDCG)が公開するガイダンス文書は、欧州委員会のウェブサイトをご覧ください。
IVD機器向けのEMC試験個別規格の最新版「IEC 61326-2-6:2020」が発行され、試験の考え方が旧規格より大幅に変更されました。
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国内薬機法において、すべての能動型医療機器は2023年3月より「JIS T 0601-1-2:2018(Ed.4.0)」に適合する必要があります。
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