Carbon Neutrality Certification

EU 炭素国境調整メカニズム(EU CBAM)規則

2026年1月から正式運用開始、移行期間の今、やるべきこと

2026年1月から正式運用開始、移行期間の今、やるべきこと

欧州 炭素国境調整メカニズム規則(以下、CBAM)は、EUに流入する炭素集約型製品の生産過程で排出される炭素に公正な価格をつけ(カーボンプライシング)EU域外諸国においてよりクリーンな工業生産を促すためのEUのツールです。テュフズードはCBAMに関するサービスを通して、お客様をサポートします。関心の高いEU公式 CBAMコミュニケーションテンプレートに焦点を絞った研修も提供しています。どうぞご利用ください。

 

<目次>

CBAMに関する更新情報(2025年3月)
CBAMの概要
CBAMの対象製品
CBAMの関連事業者
CBAMにおける順守事項
CBAMに関するよくある質問
CBAM 対応の流れとテュフズードのサービス

 

CBAM に関する情報更新(2025年3月)

2025年2月26日、欧州委員会は、EUの規則を簡素化し、競争力を高め、さらなる投資能力を引き出すための新たな提案パッケージを採択した。この提案パッケージには、CBAM を簡素化し、煩雑な手続きを削減するための一連の変更が含まれます。

出所: EU CBAM 公式ページ

 

主な変更(一部):

・小規模輸入業者、主に中小企業と個人は CBAM 義務から免除
    対象:しきい値(年間累計輸入量 50トン)を下回ること

・CBAM対象範囲となる企業に対する規則の簡素化

・CBAM申告者の承認に関する規則

・内包排出量の計算や報告要件を含む CBAM義務に関連する規則

        -特定の種類の物品について輸出国の信頼できるデータが得られない場合デフォルト値による報告も可能。
        -デフォルト値は、信頼できるデータが入手可能で排出集約度ワースト10の輸出国の平均レベルに設定する必要があります。
         (変更前のデフォルト値は、EU ETSにおける該当製品にかかわるEU域内製造拠点の排出集約度ワーストX%の平均としていた)

・スケジュール関連

 最初のCBAM報告の対象となる期間:2026年(1年間)

 最初のCBAM報告期限:2027年8月31日

 CBAM証書の販売開始時期:2027年2月

テュフズードは、引き続きCBAM対象範囲となる企業様向けに、以下のCBAM研修、CBAMアドバイザリー、CBAM第三者検証を提供しています。

 

CBAM の概要

2023年5月16日、EU ETS 改正とEU CBAMに関する規則がEU官報で公布、翌17日施行されました。CBAMは、EUに輸入される特定製品の生産過程で発生する炭素排出量に対する炭素価格が支払われていることを確認することで、輸入品の炭素価格がEU域内生産の炭素価格と同等であることを保証し、EUの気候変動目標が損なわれないことを目的としています。CBAMは、2023年10月から2025年12月末までの暫定段階を経て、2026年1月から正式な制度として適用されます。EU規則(Regulation)はEU指令(Directive)と異なり、発効と同時にすべてのEU加盟国に自動的に一律に適用される法律です。CBAMは、欧州気候法に規定された "2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロ" を達成するための欧州グリーンディールの政策の一つとして位置付けられています。

 

CBAMの対象製品

CBAMは当初、炭素集約的な生産が行われ、炭素リーケージのリスクが最も大きい、セメント、鉄鋼、アルミニウム、肥料、電力、水素といった、特定の製品と特定の前駆体の輸入に適用されます。

 

CBAMの関連事業者

CBAM規則に関連してくる事業者は以下の通りです。

Importer(輸入事業者):EU域内に事業所があることを前提に、EU域内へCBAM対象製品を輸入する事業者のこと。EU域内にCBAM対象製品を輸入する前に、Authorized CBAM declarants(CBAM認可申告者)の申請と認可を受けておく必要がある。

Indirect customs representative(間接的な通関代理人): EU 規則 No 952/2013、EU Custom Code、 Article 18 Customs representative に従って、Importer(輸入事業者)が任命することができるAuthorized CBAM declarants(CBAM認可申告者)としての代理人のこと。EU域内にCBAM対象製品を輸入する前に、Authorized CBAM declarants(CBAM認可申告者)の申請と認可を受けておく必要がある。

Operators of production installations in third countries(EU域外 生産事業者):EU域内に輸入されるCBAM対象製品(前駆体、製品を含む)の生産者のこと。

 

CBAMにおける順守事項

CBAMにおける順守すべき主な事項は、以下の通りです。

 

■移行期間(2023.10.1~2025.12.1)

輸入事業者または間接的な通関代理人

・対象製品の通関申告
・四半期ごとに、対象製品の生産過程で発生する炭素排出量のモニタリングと報告
 
EU域外 生産事業者

四半期ごとの対象製品の生産過程で発生する炭素排出量データを輸入事業者または間接的な通関代理人へ提供(EU公式 CBAMコミュニケーションテンプレートの使用を推奨)

  

■正式運用(2026.1.1 以降)

輸入事業者または間接的な通関代理人

・対象製品の通関申告

・年次で、対象製品の生産過程で発生する炭素排出量のモニタリングと報告

・対象製品の生産過程で発生する炭素排出量の第三者検証の証拠の提出

・CBAM証書の購入(炭素価格の支払)

EU域外 生産事業者:

1年ごとの対象製品の生産過程で発生する炭素排出量データを輸入事業者または間接的な通関代理人へ提供(EU公式 コミュニケーションテンプレートの使用を推奨)

 

CBAMに関するよくある質問(FAQ)

1. CBAMは、本当に実施されますか?

➡ はい。2023年10月から移行期間が開始し、移行期間における順守義務が発生しています。2026年1月1日からの正式運用も見据えた、対策準備を早めに行うことが重要と言えます。

2. CBAMの対象となる製品は何ですか?

➡ CN コードで判断する必要があります。CBAM規則の Annex I に対象製品の CN コードリストが掲載されています。

3. CBAMの移行期間の報告はどうすればいいですか?

➡ EU 公式CBAMコミュニケーションテンプレートの利用を強くお勧めします。
テュフズードでは、EU 公式CBAMコミュニケーションテンプレートの解説研修を提供しています。

出所:Carbon Border Adjustment Mechanism (CBAM), Questions and Answers

 

CBAM 対応の流れとテュフズードのサービス

テュフズードは、CBAMと密接な関係にあるEU 排出量取引制度(ETS)における第三者検証機関として2005年以降、研修や第三者検証サービスを提供しています。ドイツ最大クラスの実績に培われた豊富な知見をベースに、CBAM対応支援、CBAM第三者検証サービスを提供しています。

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