2026年からの本格適用に向けて、企業が押さえるべきポイント
2026年からの本格適用に向けて、企業が押さえるべきポイント
欧州 炭素国境調整メカニズム規則(以下、CBAM)は2026年より本格導入され、排出量に基づく証書提出が義務化されています。今後は第三者検証を前提とした排出量データの整備が不可欠となり、不備がある場合はコスト増加やコンプライアンスリスクにつながります。テュフズードはCBAMに関するサービスを通して、お客様をサポートします。関連法規に関する疑問点から、第三者検証までどうぞご利用ください。
<目次>
>CBAMとは
>CBAMに関する更新情報(2025年12月)
>CBAMの概要
>CBAMの対象製品
>CBAM義務対象
>テュフズードのCBAM関連サービス
CBAMとは「Carbon Border Adjustment Mechanism(炭素国境調整メカニズム)」の略称で、EUが導入を進める炭素価格調整制度を指します。具体的には炭素排出量の多い国で生産された鉄鋼やアルミニウムなどを輸入する際、その製品に内包されたCO2排出量に応じて課金する仕組みです。
CBAMは、環境規制の厳しいEU域内企業とのEU域外の規制の緩い企業との均衡を図り、いわゆる「カーボンリーケージ」を防ぐことにあります。CBAMとは、単なる環境規制ではなく、EU向け輸出企業の原価構造・サプライチェーン・調達戦略に直接影響する新たな貿易条件といえます。 製造業を中心とした日本企業においても、排出量データの可視化、LCA(ライフサイクルアセスメン ト)への対応、低炭素素材への切り替えなど、CBAMを前提にした中長期的な事業戦略の再構築が急務 となっています。
Combined metal products(複合金属製品) の追加により、自動車部品、DCモーター、家電製品など 約60品目へ拡大を検討
出所: EU CBAM 公式ページ
欧州委員会は、CBAM規則の適用範囲を下流製品に拡大する規則改正案を公表し、その中で「Combined metal products(複合金属製品)」を新たに対象とする方針を示しています。これにより、従来はCBAM対象外と考えられていた下流製品や複数の金属を組み合わせた製品、約60品目についても、CBAM対応が求められる可能性が高まっています。
今回の改正は、EU域内産業の脱炭素化をより実効的に進めることを目的としており、排出量の算定対象を上流原材料に限定せず、回避行為を防止する観点から対象品目を拡大する点が大きな特徴です。これにより、鉄鋼・アルミニウム等を使用した加工品・組立品をEU向けに輸出している企業にとって、CBAM報告・検証への対応が新たな経営課題となります。
CBAMの適用範囲拡大に伴う影響評価や対応方針の検討をご希望の方は、ぜひ当社までご相談ください。
CBAMは、EUに輸入される特定製品の生産過程で発生する炭素排出量に対して、EU域内と同等の炭素価格負担を求める制度であり、炭素リーケージの防止およびEUの気候変動目標の達成を目的としています。
2026年1月からは、正式制度として本格的に適用されています。これにより、対象製品の輸入事業者は排出量の報告に加え、排出量に対応するCBAM証書の購入および保有が求められるようになりました。
また、CBAM証書はEU排出量取引制度(EU ETS)の価格に連動しており、輸入製品に係る炭素コストは実際の排出量に基づいて算定されます。今後は、排出量データの正確性およびトレーサビリティの確保がより重要となり、第三者検証を見据えたデータ整備が不可欠となります。
CBAMは当初、炭素集約的な生産が行われ、炭素リーケージのリスクが最も大きい、セメント、鉄鋼、アルミニウム、肥料、電力、水素といった、特定の製品と特定の前駆体の輸入に適用されます。
EU加盟国の輸入者又はその代理人のうち、認可を受けた者(Authorised CBAM declarant)。
CBAM証書
物品に含まれる組み込み排出量(CO₂e)1トンに対応する電子証書
EU事業者がこれを購入します。購入に際しては、EU域外の事業者から組み込み排出量に関する情報を収集します。
日本の事業者
日本の事業者自体にCBAM上の法的義務はありませんが、EU側の輸入者がCBAM証書に関する義務を果たすため、排出量データや前駆体情報の提供が事実上必要となります。
初回無料相談
概要説明、実測値とデフォルト値の違い、第3者検証への準備等でお困りごとがあればご相談ください。
第三者検証
予備検証:過去データを用いた検証。2026年9月以降は早期検証にシフトします。
早期検証:2026年9月以降、順次提供開始。2026年分の検証を先行して行います。
本検証:2027年以降に順次提供開始予定。
セメント (Cement)
2507 00 80: その他のカオリン系粘土
2523 10 00: セメントクリンカー
2523 21 00: 白色ポートランドセメント
2523 29 00: その他のポートランドセメント
2523 30 00: アルミナセメント
2523 90 00: その他の水硬性セメント
電力 (Electricity)
2716 00 00: 電気エネルギー
肥料 (Fertilisers)
2808 00 00: 硝酸及び硫硝酸
2814: アンモニア(無水のもの及び水溶液)
2834 21 00: 硝酸カリウム
3102: 窒素肥料(鉱物性肥料又は化学肥料)
3105: 肥料成分として窒素、リン、カリウムのうち2つまたは3つを含有する鉱物性肥料又は化学肥料、その他の肥料(ただし、3105 60 00のリン及びカリウムのみを含有するものは除外される)
化学品 (Chemicals)
2804 10 00: 水素
鉄鋼 (Iron and steel)
72: 鉄鋼(ただし、一部のフェロアロイ(7202 2など)や鉄鋼のくず・スクラップ(7204)などは除外される)
2601 12 00: 凝結させた鉄鉱石及びその精鉱(焼いた硫化鉄鉱を除く)
7301: 鋼矢板(穴あけし、又は組み立てたものであるかないかを問わない)及び溶接した形鋼
7302: 鉄道用又は軌道用の建設材料(レール、チェックレール、ラックレール、ポイントなど)
7303 00: 鋳鉄製の管及び中空のプロファイル
7304: 鉄製又は鋼製の管及び中空のプロファイル(継ぎ目なしのもの)
7305: その他の鉄製又は鋼製の管(外径が406.4mmを超える円形断面のものなど)
7306: その他の鉄製又は鋼製の管及び中空のプロファイル(オープンシームのものなど)
7307: 鉄製又は鋼製の管用継手(カップリング、エルボ、スリーブなど)
7308: 鉄鋼製の構造物及びその部分品(橋、橋げた、塔、格子状の柱、屋根、戸、窓など)
7309 00: 鉄鋼製の貯蔵タンク、大槽その他これらに類する容器(内容積が300リットルを超えるもの)
7310: 鉄鋼製のタンク、たる、ドラム、缶、箱その他これらに類する容器(内容積が300リットル以下のもの)
7311 00: 鉄鋼製の圧縮ガス用又は液化ガス用の容器
7318: 鉄鋼製のねじ、ボルト、ナット、コーチスクリュー、スクリューフック、リベット、コッター、座金など
7326: その他の鉄鋼製品
アルミニウム (Aluminium)
7601: アルミニウムの地
7603: アルミニウムの粉及びフレーク
7604: アルミニウムの棒及び形材
7605: アルミニウムの線
7606: アルミニウムの板、シート及び帯(厚さが0.2mmを超えるもの)
7607: アルミニウムの箔(厚さが0.2mm以下のもの)
7608: アルミニウム製の管
7609 00 00: アルミニウム製の管用継手
7610: アルミニウム製の構造物及びその部分品(橋、橋げた、塔、格子状の柱、屋根、戸、窓など)
7611 00 00: アルミニウム製の貯蔵タンク、大槽その他これらに類する容器(内容積が300リットルを超えるもの)
7612: アルミニウム製のたる、ドラム、缶、箱その他これらに類する容器(内容積が300リットル以下のもの)
7613 00 00: アルミニウム製の圧縮ガス用又は液化ガス用の容器
7614: アルミニウム製のより線、ケーブル、編組帯その他これらに類する物品(電気絶縁をしたものを除く)
7616: その他のアルミニウム製品
追加が検討されているCBAM対象の主なCNコード
鉄鋼製品 (Iron and Steel)
鉄鋼の主要製品: CNコード 72(一部の例外を除く)
鉄鉱石: 凝集させた鉄鉱石およびその精鉱(CN 2601 12 00)
鋼矢板・形鋼: 穴あけ加工済みや組み立てられたもの、溶接された形鋼(CN 7301)
軌道建設材料: レール、チェックレール、ポイント、わだち、まくら木、継目板など(CN 7302)
管・プロファイル: 鋳鉄製の管およびホロープロファイル(CN 7303 00)、継目なし管(CN 7304)、外径406.4mmを超えるその他の管(CN 7305)、その他の管およびホロープロファイル(CN 7306)
管用継手: エルボ、スリーブ、カップリングなど(CN 7307)
構造物: 橋、橋げた、水門、塔、格子状の柱、屋根、戸、窓枠、シャッター、欄干など(CN 7308)
貯蔵槽・容器: 容積300L超のタンク、大だる、かん等(CN 7309 00)、容積300L以下のタンク、ドラム、缶、箱等(CN 7310)、圧縮・液化ガス用の容器(CN 7311 00)
ワイヤー・網: より線、ロープ、ケーブル(CN 7312 10)、溶接された格子、網、柵(CN 7314 39 00)
締結部品: スクリュー、ボルト、ナット、コーチスクリュー、リベット、コッター、座金(スプリングワッシャー含む)など(CN 7318)
ばね: ヘリカルスプリング(CN 7320 20 89)、その他のばねおよびばね板(CN 7320 90 90)
家庭用品: 食卓用品、台所用品、その他の家庭用品およびその部分品(CN 7323 94 00, 7323 99 00)
その他の製品: 鉄鋼製のその他の鋳造製品(CN 7325)、その他すべての鉄鋼製品(CN 7326)
複合金属製品 (Combined metal products)
フェンス・網: 亜鉛めっき等の格子、網、柵(CN 7314 31 00, 7314 41 00, 7314 49 00)
釘・ステープル: 鉄鋼製の釘、画鋲、ステープル(CN 7317 00)、銅製または鋼・アルミニウムを含む鉄鋼製の釘、画鋲、ステープル(ex 7415 10 00)
取付具・付属品: 家具用などの卑金属製取付具(ex 8302 42 00, 8302 49 00)、栓、キャップ、蓋、シール、パッキング付属品(ex 8309 90 90)
エンジン: 車両用・工業用のディーゼルエンジン(CN 8408 20 10, 8408 20 51-99, 8408 90 65-67)
ポンプ・バーナー: 燃料・潤滑・冷却用ポンプ(CN 8413 30)、遠心ポンプ(CN 8413 70 35)、炉用バーナーおよびその部品(CN 8416 10, 8416 20, ex 8416 90 00)
冷暖房・冷却機器: 冷蔵・冷凍庫(CN 8418 10)およびその部品(ex 8418 99 90)、冷却塔(CN 8419 89 10)、その他の装置およびその部品(CN 8419 89 98, ex 8419 90 85)
産業機械: カレンダー機用シリンダー(CN 8420 91)、フィルター(ex 8421 23 00)、吹付機(CN 8424 30)、農業用等の散水・散布機器(ex 8424 82 10, ex 8424 89, ex 8424 90)
昇降・搬送機器: ウインチ、キャプスタン、ジャッキ(CN 8425)、クレーン(CN 8426)、自走式でない作業車(CN 8427 90 00)、コンベア、昇降機、産業用ロボット(CN 8428)、地ならし機械(CN 8430)、およびこれらの部品(ex 8431 10 00-49)
欧州電池規則(欧州バッテリー規則/EU Battery Regulation )の「概論」と、新たに追加した「詳細版」でさらに詳しく解説します。
詳細はこちら
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