国内に試験所を完備。各国の最新規格に基づく試験をご提供します。
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<目次>
>EMC試験とは
>EMC試験が必要な理由とは
>EMC試験サービス概要
>EMC試験にテュフズードが選ばれる理由
>EMC試験サービスの流れ
>EMC試験サービスにかかる費用
>テュフズードのサービス一覧
EMC試験とは、電気・電子機器等において、他の機器の動作を妨げる不要な電磁波を出さないこと(エミッション)や、他の電磁妨害からの免疫能力を有すること(イミュニティ)を評価する試験です。
EMCとは、Electromagnetic Compatibilityの略称です。electric field(電界)とmagnetic field(磁界)の組合せの電磁エネルギーで生じる電磁環境において、システム内のすべての機器が意図した機能を維持する状態を保つためにCompatibility(両立)することが「EMC」と総称され、JISでは電磁両立性と呼ばれています。なお、ドイツ語ではElektromagnetische Verträglichkeit (EMV)と呼ばれます。
電磁エネルギーは時間的や空間的に一定ではなく、相互干渉しながら状況は常に変化しています。その変化量は古典的電磁気学で、巨視的にとらえた場合に成り立つマクスウェルの方程式から成り立っています。以下は微分系で示しています。
Dは電束密度、Eは電場、Bは磁束密度、Hは磁場、ρは電荷密度、jは電流密度を示します。∂/∂tは時間的変化をすることを示し、div (ダイバージェンス)は発散、rot (ローテーション)は回転を表します。また、電束密度と電場の強さはD=ε0E、磁束密度と磁場の強さは B=μ0H の関係になり、ε0は真空の誘電率、μ0は真空の透磁率になります。
難しく感じられるかもしれませんが、身構える必要はなく、この電磁エネルギーの発散と回転は相互的に干渉しながら時間的に変化しつづけていることを意味しています。昨今の電子・電気機器は、密度が高く、より高速で、より複雑で、システム内のすべての機器間に生じているEMC問題はテクノロジーのトレンドに追従せざるを得ないという状況です。
EMC問題には主に以下の3つの要素があり、システム内のすべての機器が意図した機能を維持する為に、不要な電磁干渉を減衰させ、排除する必要があります。
電子・電気機器の電磁環境に侵される種類は非常に幅広く、使用環境や製品に沿った電磁干渉には空気中を媒体とする放射性やケーブルを媒体とする伝導性、干渉の頻度も連続的や過渡的などの種類があります。その他にも、電磁干渉する結合パスも容量性結合や誘導性結合など、さまざまな電磁結合が考えられます。
EMC試験では、以上のようにさまざまな製品や使用環境をもとに考慮された規制や要求された試験レベルで、エミッションとイミュニティの試験を実施しています。
世界中で起こっているEMC問題は毎年増加の一途をたどっており、マイクロプロセッサの進化や高周波回路精密化、低電力の送受信機の普及などでEMC問題の深刻度は増しています。
EMC試験の歴史を紐解くと、1934年のアメリカ合衆国議会の法令にさかのぼります。この法令によって、監督及び権限を与えられたアメリカ合衆国政府の独立機関Federal Communication Commission (FCC)が創設され、放送通信事業の規制監督を開始しました。そのPart 15のSubpart Bでは、非意図的な電磁放射機器デバイス―いわゆるエミッションの規制要求があり、Subpart Cでは意図的な電磁放射機器デバイス―いわゆる無線の規制要求があります。
1990年代以降になると、欧州連合EU(European Union)がこのFCCの要求を超えたEMC規制を採用し、エミッションのみならず、電磁免疫の要求(イミュニティ)が確立されました。エミッションにイミュニティが加わったEMC規制が確立され、やがてその枠組みは世界中に広がり、アメリカ、EUをはじめ、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドなど各国が自国の電磁環境に対応した要求レベルを確立していきました。
なお日本では、総務省が管轄している電波法と経済産業省が管轄している電気用品安全法がありますが、EMC規制という観点ではありません。エミッションを自主的に規制している団体であるVCCI (Voluntary Control Council for Interference by Information Technology Equipment)が存在していますが、EMC法律としては存在していないのが現状です。
このように、世界中の国や地域でEMC規制状況は異なります。製造業者を含めた経済事業者はその最新状況に応じ、各国の規制に基づく要求を満たすために適合性評価を実施し、各国市場でEMC諸問題無く流通させるために品質と信頼性を高めることが非常に重要です。
テュフズードジャパンは、ISO/IEC 17025 認定試験所を国内に2カ所完備し、各国の規制に適合するためのEMC認定試験を提供しています。MMEやISM機器など最新の試験サービスの提供も行っています。
主要製品 | 主な適用規格 | 試験内容・主要設備 | |
・IT機器 | ・VCCI | ・ETSI EN 301 489-1 | ・電磁放射試験 |
・産業機器 | ・FCC Part15 Subpart B | ・EN 50121-3-2/-4 | ・電磁鑑賞試験 |
・家電製品 | ・EN 55032 | ・CISPR 25 | |
・測定用電気機器 | ・EN 61000-6-1/-2/-3/-4 | ・EN 61000-6-7 | ・10m法電波暗室×2 |
・オートモーティブ | ・EN 55014-1/-2 | ・EN 61326-3-1/3-2 | ・3m法電波暗室 |
・無線機器 | ・EN 61326-1 | ・IEC 61800-3 | ・小型電波暗室 |
・鉄道 | ・EN 60601-1-2 | ・IEC 61800-5-2 | ・シールドルーム |
・医療機器 | |||
・機能安全 |
テュフズードのEMC試験施設は、国際的に認められた試験所です。 品質に対するEMC試験国際規格(ISO/IEC17025)に基づきEMC国際認定機関であるVLAC(認証取得範囲)、台湾BSMI 等の機関により認められています。
また、開業当初より開発初期段階からのEMC対策に携わっており、業界で最も豊富なEMCノイズ対策実績を誇ります。これまでに500件を超える製品のノイズ対策を手掛けており、効果的なノイズ対策技術支援をご提供できます。
さらに、テュフズードグループのネットワークを生かし、各国認定取得に向けて幅広くサポートします。お客様のニーズに合わせて独自のルートを開拓し、幅広いサポート体制で、認定取得までのワンステップコーディネートを行います。
詳しい費用に関しましては、当社の専門家にお問い合わせください。
経験豊富な当社エンジニアが、各国の規制や多種多様な製品カテゴリーの試験に対応します。テュフズードにはNARTEエンジニアが在籍しており、VCCI測定はもちろん、FCC測定やCEマーキングに基づく測定・試験が可能です。
主なEMC試験項目は、放射エミッション、伝導エミッション、静電気(ESD)、伝導イミュニティ、バースト、サージ、放射イミュニティ、周波数磁界イミュニティ、電源ディップ、瞬停、EMF測定などです。
装置をお預かりし、経験豊富な当社エンジニアが規格適応までのEMCノイズ支援対策をサポートします。図面段階からのEMCノイズ対策支援や、お客様に出向くオンサイトEMCノイズ対策支援も行います。
お客様と当社試験所をビデオ通話ツールでつなぎ、映像の共有および双方向のコミュニケーションを行うサービスです。出張に関わる時間やコスト面での負担が大きいとお感じのお客様に、その負担を少しでも軽減し、効率的に当試験所をご利用いただくことを目的としています。
試験所の担当エンジニアは、Microsoft Teams、その他のビデオ通話ツールを用いて電波暗室内の映像をライブで提供します。お客様には映像を自社の会議室やデスクで確認いただきながら、担当エンジニアに直接指示を出すことができます。
サイトに持ち込むことが難しい、工業環境等で使用される製造用等大型機器に対するお客様の工場における現場試験が可能です(日本全国対応可能)。また、NBであるテュフズードは、NBステートメント(意見書)の発行が可能です。
テュフズードグループのネットワークを生かし、当社が窓口となり一括したEMCグローバル認証を行います。EMCのみならず、無線・製品安全を含めたワンストップ認証が可能ですので、詳細はお問い合わせ下さい。
出張セミナーをご要望に合わせて実施しています(定期開催・一般公募などは実施していません)。
EMCの測定基礎【1】 |
EMCとは 電磁波とは |
EMCの測定基礎【2】 | アンテナ理論 サイトアッテネーション EMI 測定方法 放射エミッション 伝導エミッション 吸収クランプ EMF測定 |
EMC規格について | 日本 VCCI測定 クラスA クラスBとは ヨーロッパCEマーキング EMC指令/国際/オセアニアAS規格/北米 FCC測定 その他の地域 |
EMC対策基礎 | ノイズ解析 EMC対策技術 対策事例の紹介 |
EMCノイズ対策事例 | ノイズの種類 ノイズの発生源 ノイズの切り分け法 EMCノイズ対策部品 設計段階でのEMCノイズ対策設計(構造/基板) 具体的なEMCノイズ対策事例 |
サイトアッテネーション測定
試験規格 | 米国規格 ANSI 日本VCCI協会 VCCI 国際規格 CISPR |
業務内容 | 放射妨害波を測定するテストサイトや電波暗室の30~1000MHz帯域特性評価 設備登録代行 |
電界均一性試験サービス
試験規格 | IEC61000-4-3 |
業務内容 | 放射電磁界イミュニティ試験における電波暗室の30~1000MHz帯域特性評価 設備登録代行 |
EMC機器校正サービス
LISN、NSA、CDN、AMP、結合器、アッテネータ、ケーブル
国内のEMC試験所では、EMI 測定時に5G 基地局シミュレータを使用できないという制約があるケースが多く見受けられます。
当社の米沢試験所では、EMC 試験、無線関連試験、製品安全試験を一つの建物内で実施していることから、国内電波法の試験・認証に加え、5G 通信を確立しながらEMI測定、製品安全試験を実施することが可能です。
電気用品安全法<PSE法、電安法>の「雑音の強さ」の評価試験が可能です。また、欧州低電圧指令ー家電製品のEMF要求に適合した測定器を導入し、「家庭用及び類似の電気製品のEMF」EN 50366の試験サービスも提供しています。
そのほか、IEC 62233「人体曝露に関する家庭用及び類似の電気機器のEMF測定規格」に基づいたEMF評価が可能です。ディスターバンスアナライザを導入しており、クリック率の試験も容易に可能です。
2008年10月28日付でVCA(イギリス)の認定試験所となり、2006/28/EC指令(車載電子機器EMC)、ECE Reg10.03のEMC試験が可能です。
車載機器 EMC 欧州 eマーク 規格試験項目
試験項目 | 仕様 |
放射EMI(CISPR25) | 30-1000MHz |
電圧トランジェントEMI | ISO7637-2 |
放射EMS |
ISO11452-2、-1 200-2000MHz 30V/m(規格要求) |
TEMセル | ISO11452-3 20MHz-200MHz 75V/m(規格要求) ISO11452-3 10KHz-400MHz 200V/m |
BCI | ISO11452-4 20MHz-400MHz 60mA(規格要求) ISO11452-4 1MHz-2GHz 200mA |
過度電圧トランジェント | ISO7637-2 (Pulse 1、2a、2b、3a、3b、4) |
試験項目 | 仕様 |
ISO7637-2:2004 | Pulse1、2a、3a、3b、4、5a、5b |
ISO7637-3:1995 | Pulse1、3a、3b |
JASO D001-94 5.7 | 過渡電圧特性試験 A-1、A-2、B-1、B-2、D-1、D-2、E |
JASO D001-94 5.9 | 伝導電磁気試験 |
DC-10614:2004 | Pulse1、2、3a、3b |
DC-10615:2004 | Ripple、Drop、Out、Dips |
ES-XW7T-1A278-AC | CI210-CI260 |
GMW3097:2004 | Pulse1、2a、2b、3a、3b、4、5b、7 |
磁界イミュニティ | ISO11452-8、SAE-J1113-22 15KHz-30KHz |
インパルス試験 | 50ns-1μs ±2kV |
米国BIG3(GM/Ford/DC)が指定する自動車用車載電子機器のEMC試験が可能です。
試験項目 | 仕様 |
ESD(静電気) | ISO10605 ±30kV |
放射エミッション | CISPR25 150kHz-2.5GHz class 5 |
伝導エミッション | CISPR25 150kHz-108MHz class 5 |
パワー直接注入 | ISO11452-7 250kHz-400MHz 1.0W |
BCI | ISO11452-4 1MHz-2000MHz 200mA |
TEMセル | ISO11452-3 10kHz-400MHz 200V/m |
放射EMS(ASLE) | ISO11452-2 200-4.2GHz 200V/m |
放射EMS(Rader) | ISO11452-2、1.2-1.4GHz、2.7-3.1GHz 600V/m |
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