ケーススタディ

株式会社 明治

株式会社 明治

国内初!FSSC FSMA PCHF Addendum証書取得で

米国輸出食品のFSMS維持向上

―FSSC 22000とFSMAの差分を埋める株式会社明治 坂戸工場の取り組み

 

菓子・乳製品の売り上げは国内でもトップクラスを誇り、日本の食品業界を牽引する株式会社明治(以下、明治)。品質管理にこだわりをもち、安全で美味しい製品を、安心して消費者に提供できるよう、食品安全マネジメントシステムにも真摯に対応してきた。

このたび同社の坂戸工場では、2011年のISO22000取得以来、付き合いのあるテュフズードを通じ、FSMA(米国食品安全強化法)の要求事項とFSSC 22000規格要求事項を統合し、双方のギャップを補完するFSSC FSMA PCHF Addendum(補遺)証書を取得。明治は、テュフズードを食品業界に精通している審査員の質の点で高く評価し、今後のサポートはもちろんのこと、食品業界への同認証の認知度向上やセミナー開催なども期待する。


■会社概要

株式会社 明治
事業内容 牛乳・乳製品、菓子、食品の製造販売等
本 社 東京都中央区京橋二丁目2番1号
設 立 1917年12月21日
資本金 336億4千万円
売上高 8,260億80百万円(令和4年3月期)
従業員数 10,464人(令和4年3月31日現在)

ケーススタディ 明治

■お話を伺った方:

株式会社明治
坂戸工場 工場長 兼 品質保証部長
島川豊弘さん

株式会社明治
坂戸工場 品質保証課長
草野亜紀子さん

 

写真左から:吉田泰三(テュフズードジャパン株式会社 マネジメントサービス部 部長)、アンドレア・コシャ(テュフズードジャパン株式会社 代表取締役社長)、島川豊弘さん(株式会社明治 坂戸工場 工場長兼品質保証部長)、草野 亜紀子さん(株式会社明治 坂戸工場 品質保証課長)

 

◆日本の食卓を支える、徹底した品質マネジメント

1917年に設立された明治は、創業以来、事業拡大を続けている。「明治ミルクチョコレート」「アーモンドチョコレート」「明治おいしい牛乳」「明治ブルガリアヨーグルト」など、日本の家庭に浸透する食品を提供するリーディングカンパニーだ。

品質保証の面では、各工場での品質マネジメントの展開や、関連部門への独自の品質管理ルールの制定などを通じて、業界トップクラスの品質を誇る。2011年にはテュフズードを通じ、大阪工場でSQF、坂戸工場でFSSC 22000の認証を取得。GFSI承認を柱とする食品安全マネジメントシステム(FSMS)を導入している。

 

米国向け輸出品のFSMSの維持向上を目指して

ケーススタディ 明治
明治の海外事業部門では、国内で製造した様々な製品を海外へ輸出しているが、輸出先の各国の法令対応にも力を注いでいる。島川さんは取り組みについて次のように解説する。

「国内から海外へ製品を輸出する場合は、輸出先の国の法令に従うことが必須であるうえに、輸出先の国の文化や国際事情の影響も受けます。坂戸工場ではFSSC 22000の認証を取得した上で、米国向け輸出品に関しても、米国で施行されたFSMAやFSVP(※)などの法令に従い、国内品と同様に本社部門とともに、FSMSの維持向上に努めてきました」

※米国食品安全法(FSMA)に基づく外国供給業者検証プログラム。米国の輸入業者向けに、輸入する食品の安全性等の検証を義務付けている。

 

外部の目を入れて、目まぐるしく変化する国際情勢に対応する

近年、食品安全への関心は世界各地で高まっており、米国のFSMA(米国食品安全法)をはじめ、各国がより厳しい食品安全基準を定める傾向にある。日本国内においても、国際的な食品安全マネジメントシステム認証の取得が大手小売企業との取引条件になっているケースが多く、FSSC 22000認証やSQF認証等が広く取得されている。

草野さんは、特にここ数年の課題について次のように語る。「新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、工場が食品安全に関する監査を直接受ける機会が少なくなっていましたが、現在は徐々に以前の動きに戻りつつあります。海外においても行政の監査が再開され始めたことに伴い、輸出している製品への詳細な問い合わせが増加しました。例えば、HACCPを含む食品安全マネジメントシステムが輸出先の法令に準拠しているか、工場のプロセスや管理方法はどうなっているかといった内容です」

また坂戸工場ではFSSC 22000認証取得と共に、FSMAやFSVPなどの法令に従っていたが、米国向けのHARPC(※)と比較すると、特に予防管理の考え方が異なるなど、特殊な対応が必要となる部分が多い。

ケーススタディ 明治草野さんは「現状のFSSC 22000とFSMAの差分について、これまでは社内で議論しながら対応を続けてきました。ただ、米国向け輸出品のFSMSを評価する点については課題だと感じていました」と話す。

「これからも目まぐるしく変化すると予想される国際情勢に対応し続けるためには、自社だけでなく、外部の目を入れてシステムを維持し、更新のスキームに則って対応していく必要があると判断しました。そこでテュフズードさんに相談したところ、FSMAの要求事項とFSSC 22000の要求事項を統合し、双方のギャップを補完するものとして公開されたFSSC FSMA PCHF Addendum(補遺)を紹介いただきました」(草野さん)

※米国食品医薬品局(FDA)が食品業者向けに実施することを要求する「ハザード分析及びリスクベース予防管理」計画。

 

食品工場に精通する「審査員の質」を重視

2011年のGFSI認証取得の際、認証機関選定の基準で重要視していたのは「審査員の質」だった。つまり、認証のスキームと食品工場の両方に精通している審査員だ。そこで選ばれたのがテュフズードだった。

島川さんはテュフズードの審査員について次のように評価する。「テュフズードには食品業界に造詣が深く、食品工場内のプロセスをはじめ、食品それぞれが持つリスクやハザードについてもよく理解された審査員がいらっしゃいます」

「テュフズードの審査員は、スキームが意図している本質的な要求と、製造工場で最適化されたマネジメントシステムについて深く理解し、バランスの取れた指摘、審査を行っていただいており、審査の質という点で高く評価できると考えています」(島川さん)

 

10年以上、テュフズードを選び続ける理由

FSSC FSMA PCHF Addendumの認証取得にもテュフズードを選んだ決め手について、草野さんは次のように語る。「テュフズードさんとは、明治がGFSI認証取得を本格的に始めた2011年からの長いお付き合いです。全社的にFSSC 22000やSQF、JFS-CなどのGFSI承認規格についてお願いしてきました。お付き合いを続ける中で、新規スキームや既存スキームの変更など、必要な情報をタイムリーに連絡してくれる点からも信頼しています」

「また米国の予防管理リストではHACCPシステムに対するアプローチ方法が異なるという不明点が発生し、テュフズードさんに問い合わせた際にも、FSSC FSMA PCHF Addendumのスキームについて調査いただき、認証取得のメリットを説明いただきました。認証取得したスキームを維持し、よりよく展開・向上させていく上で、最適な認証機関だと考えています」

 

国内初のFSSC FSMA PCHF Addendum証書取得までの道のり

証書取得までの6ヶ月間は、テュフズードのサポートによって順調に進んだ。坂戸工場は、テュフズードによる本補遺のトレーニングおよび審査サービスを経て、2022年10月、証書取得に至った。

ケーススタディ 明治

島川さんは認証取得までのプロセスにおけるテュフズードの対応について、次のように評価する。「スキームの要求事項に関する情報提供をスピーディーにいただきました。テュフズードさんにとってもFSSC FSMA PCHF Addendumは初めての認証取得サポートだったようで、短期間で当社は社員教育を、テュフズードさんは審査員教育をしなければならない状況でしたが、迅速かつ丁寧に対応いただけました。審査を受けるまでに必要な手続きは、これまでとほぼ変わらずお任せでき、認証に至るまでのスケジュールを共有しながら、着実に準備を進めることができました」

また草野さんは次の点についてテュフズードを評価する。「スキーム文書は英語でしたが、スケジュール調整、審査対応、提出書類など、すべて日本語で対応いただいたのは、非常に助かりました。外国語で対応が難しいFSMSの詳細なニュアンスの共有や、意思疎通がしやすく、我々が構築したシステムを詳細まで確認してもらうことができました」

 

米国のお客様が求めることや、FSSCでは満たせない点が明確に

ケーススタディ 明治そして明治は、FSSC FSMA PCHF Addendumの認証取得後、FSSC 22000の証書と合わせて発行される証書「FSSC FSMA PCHF Addendum証明(Confirmation)」をテュフズードより受けた。これは国内初の例となることから、国内においては特に強いアピール材料になると共に、食品業界のFSSC FSMA PCHF Addendum証書取得促進にも寄与するだろう。

また島川さんと草野さんはそれぞれ、今回の認証取得のプロセスにおいてテュフズードのサービスを通して得られたメリットを次のように語る。「グローバルな視点、特に米国視点において必要なハザード、HARPCの考え方、CodexのHACCPとの考え方の相違点、対応方法などの知識が得られました。現場従業員にも我々の製造している製品が世界で販売されていることを実感できる機会となり、海外へも影響が及ぶことも考えられるため、気を引き締める機会となりました」(島川さん)

「審査の中でも、予防管理リストについては、現時点でもスキームに準拠していると評価を受けましたが、我々が気付きながらも対応が遅れていた部分については、さらにシステムをよりよく管理するための提言をいただきました。今回の審査が、システムのブラッシュアップや見直しの良いきっかけとなりました。また、審査を通じて、米国のお客様が求めることやFSSCでは満たせない点などを明確にすることができたのも良かったです」(草野さん)

 

今後の取組みと今後の期待

明治の坂戸工場は今後も、新しい食品安全規格であるFSSC FSMA PCHF Addendumに取り組んでいくという。島川さんは将来の展望について次のように語る。「この先、食のグローバル化はさらに加速し、米国だけでなく世界中にお客様は増えていくと予想され、国際情勢の変化に伴い、食品安全スキームも変化していくと考えられます」

ケーススタディ 明治

「一方で、国際情勢がどれだけ変わっても『食品安全』や『健康』などお客様が求める根幹の価値は変わりませんし、食品安全や品質なくして、事業の発展は望めません。今後も世界のお客様へ、明治らしい安全・安心で高品質な商品をお届けし、『楽しさ』いっぱいで『健康』に過ごせる毎日に寄り添える企業であり続けることをミッションとし、この新しい食品安全規格であるFSSC FSMA PCHF Addendumに取り組み、挑戦し続けたいと考えています」(島川さん)

また草野さんは「日本国内から米国へ輸出している食品メーカーは、当社と同じ悩みを抱えている可能性があります。国内ではまだFSSC FSMA PCHF Addendumの認知度が低いため、食品メーカーの米国市場への輸出に影響を与えてしまう可能性もあります。テュフズードジャパンには今後、FSSC FSMA PCHF Addendumの認知度を高めるためのセミナーなども開催していただけたら嬉しいです」とテュフズードへの期待を述べ、締めくくった。


◆FSSC FSMA PCHF Addendum(補遺)とは


背景

日本国内ではFSSC 22000をはじめ、 FSSC22000、SQF、JFSシリーズ等、食品安全認証への取り組みが盛んです*。このような背景から、特にアメリカへの食品輸出の際、FSSC 22000認証がFSMAの要求事項を代替・補完するか?という点が懸案事項とされてきました。 

*日本国内のFSSC 22000認証取得サイト数は世界第2位(2022年Q1 )

 

概要

  • FSSC 22000 FSMA PCHF Addendum(補遺)は、FSMAの要求事項とFSSC 22000規格要求事項を統合し、双方のギャップを補完するものとして、FSSC22000の管理団体であるFSSC財団により公開されました。この補遺は、食品関連業者様自身が、自社既存のFSSC 22000管理とFSMA要求事項のギャップを確認する際に利用可能です。
  • さらに、FSSC 22000の審査資格を持つ認証機関の審査員により実施されるFSSC 22000の年次審査に合わせて、このFSMA PCHF Addendum(補遺)適合性評価を受けることにより、FSSC 22000規格への適合性に加え、FSMA要求に関連する管理の運用状況についても第三者による検証を受ける事ができます。

FSSC22000 FSMA PCHF Addendum証書(Confirmation)とは

FSSC 22000+FSSC 22000 FSMA PCHF Addendum(補遺)の審査後、FSSC 22000の証書と合わせて発行される証書(Confirmation)です。自社のFSMAに対する取組みを、対外的に証明するものとしても活用可能です。

 

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