2-1.危険性の識別・リスク評価の目的

機械安全のための実用ガイド

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機械を評価する際に考慮すべき課題:

テュフズードジャパン機械安全 

危険性の識別

危険源とは:

傷害、怪我、健康被害の原因となる可能性のあるもの

リスクとは:

誰かが危険に接触する可能性、および原因となり得る傷害または健康被害の程度が接触する必要がある

危険状態とは:

人が危険にさらされる状況.

例:

コンベア上で動いているベルトは危険です。リスクとは、運転中のニップに誰かが接触したり、突起物によってベルトに沿って引っ張られたりする可能性と、それにより引き起こされ得る怪我や健康被害の重大性です。AC 50v およびDC 75v以上の電圧を含む電気筐体で、終端部がカバーされていないものはたとえ筐体が施錠されていて厳重なキー制御が実施されていたとしても危険です。

その理由は、電気技術者が実際の筐体で診断テストを実施しなければならない場合、工具などで隣接する端子に不注意で触れる可能性があるからです。リスクとは、その発生の可能性と、それにより引き起こされ得るけがや健康被害の重大性なのです。

 

リスク評価の定義

適切な安全対策を選択するために、危険な状況下で起こり得る怪我や健康被害の確率と程度を総合的に推定すること。

 

リスク評価の目的

最先端技術および技術的・経済的要件に応じて、適切な安全性を達成すること。危険性に関わるリスクの評価方法は数多くありますが、そのひとつに危険性評価番号システム(HRN)があります。テュフズードで使用されているリスク評価手法は、HRNシステムを使用した予備的危険解析です。

以下の内容に関連する項目に、数値を設定します:

  • 発生の可能性(LO)
  • 暴露の頻度(FE)
  •  起こりうる危害の程度(OPH)
  • リスクのある人数(NP)

これらのリスクを理解するためには、危険性の記述が不可欠です。リスク評価は、特に明記されていない限り、機械の通常の操作における危険性に関連しています。特定のリスクがその機器に関連している場合は、別途リスク評価を実施します。

露頻度の管理がない場合は、最悪のシナリオを想定し、一定の頻度を割り当てなければなりません。

 

リスク評価事例

機械の危険部分へのアクセスによる負傷。既存のガードは部分的に取り付けられており、可動部分へのアクセスを可能にします。

LO FE DPH NP=H.R.N.
2 X 5 X 4 X 1=40
危険度:=有意

この例から、既存のガードがある程度の保護を提供していますが十分ではないことがわかります。危険との接触を完全に防ぐものの生産には影響しないガードを取り付けることによって、リスクの程度をさらに低減できることがわかります。
 
管理対策
 
EN953およびEN ISO13857に準拠し、すべての可動部品に対してアクセスを防止するトンネルガードを取り付けます。
 
管理対策後:

LO FE DPH NP=H.R.N.
0.1 X 0.1 X 4 X 1=0.04 
危険度:=無視できる程度

低減管理対策では、追加の保護が必要な機械の詳細が記載されており、その保護を構築すべき規格が記載されています。EN規格は、それらの規格が存在する場合、正しい管理対策に使用されます。管理対策は、そのガード設計者のアプローチ範囲に柔軟性を許容するため、その説明で意図的に非特異的な部分を残しています。厳密な仕様をガードや管理対策に詳述すれば、われわれはお客様を縛ってしまうからです。当社の評価はコンプライアンスの1つの方法であり、コンプライアンスを達成するための代替方法が見つかった場合には、お客様のご提案を歓迎します。当社のエンジニアは、お客様が必要とされる場合には、これらの評価以外でも具体的なアドバイスを提供することができます。

本セクションの冒頭で述べたように、EN ISO12100は機械のリスク評価の主要規格であり、機械指令に調和しています。これは、リスク評価、危険分析および文書化の要件に関する原則を定めたものです。

また、この規格には、危険、危険状況および危険事象の例を示す表も含まれています。この表では、起こりうる危険または危険な状況の種類について詳しく説明しています。機械類のリスクアセスメントプロジェクトに携わる者は、評価を実施する知識と能力に完全な自信がない限り、当然のことながらこのリストを参照するべきです。


2-2. 安全関連制御システム・ EN ISO13849-1vs EN IEC62061 に進む

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