Meiji

株式会社明治

ケーススタディー

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Meiji

社名: 株式会社明治

「きのこの山」、「たけのこの里」、「カール」などの商品で親しまれている株式会社明治( 以下、明治) のお菓子。明治の菓子部門の売り上げは国内でもトップクラスである。

品質管理にこだわりをもち、安全でおいしいものを、安心して消費者に提供できるようにしている同社菓子部門は、テュフズードを通じ、大阪工場でSQF、坂戸工場でFSSC22000の認証を取得。菓子業界でのリーディングカンパニーとして、GFSI 承認を柱とする食品安全マネジメントシステム(FSMS)の導入をアピールできるようになった。

明治は、食品工場の視点で審査プロセスを進めてきたテュフズードを高く評価し、今後の食品安全マネジメントシステムの取組み全般におけるサポートにも期待している。


株式会社明治 品質本部品質保証部品質管理3グループ長 吉田照展氏は「明治の菓子部門では、品質を高めるために、菓子業界屈指の品質管理体制を、ソフト面、ハード面ともに整備してきました。食品安全規格の認証取得もその一環です。テュフズードの審査員は、菓子製造ラインがどのようになっているのかに精通しており、食品安全のために必要な改善点をきちんと指摘してくれました。現場の人間も、テュフズードの審査員の指摘には素直に従っていましたので、誰がみても納得いく指摘だったのだと評価しています。規格要求事項の文言にあわないというだけの指摘であれば、そうはいかなかったと思います。今後も、より厳しくチェックして、明治製品の品質アップのために協力いただければと思います」と語る。

 

品質へのこだわり

明治は1917年に設立され、2009年に明治製菓と明治乳業が経営統合し、現在、「きのこの山」、「たけのこの里」、「カール」などの商品で親しまれてい る菓子事業、「ブルガリアヨーグルト」「明治おいしい牛乳」などの乳製品事業、「アミノコラーゲン」など健康栄養事業、アメリカや中国で明治製品を販売する海外事業の4事業を展開している。

明治の菓子部門では、お客様に安全でおいしいものを安心して食べてもらうことにこだわった取り組みを行ってきた。例えば、ハード面では、 X線異物検査装置をグループ工場の全ラインに導入し、ソフト面では、 ISO9001の認証取得や考え方をグループ工場に定着させ、各工場での品質マネジメントを展開するなど、菓子業界で屈指の品質管理体制を築くため力を注いできた。

現在は、品質本部で独自の品質管理ルールを策定し冊子化するとともに、各工場、各ライン単位で品質目標を数値で設定している。品質向上への取り組みの結果、現在では1ppm (100万個に1個 )を切る程度のクレー ム発生率となっており、業界トップクラスの品質を誇る。

 

安全体制確保への工夫

明治の菓子部門では、冊子化された「品質管理ルールブック」を、部門横断的に工場の管理職、ラインのグループリーダー、研究所や購買部などの関連部門に配布している。そうすることで、品質関連のルールが整備され、試作・仕入れから製造まで、 一貫して品質を管理することが可能になる。ルールブックを配布するだけでなく、実効性を高めるために、毎月、品質本部では、ルールブックからテーマを抜き出し、それに関する啓発ポスターを作成したり、その啓発ポスターの内容に関するテストを行って採点したりと工夫し徹底した運用が実施されている。

 

品質マネジメントの 一環として認証取得

明治の菓子部門は、品質保証体制の整備の一環として、2011 年 10 月に大阪工場で SQF を、2012 年 6 月に坂戸工場で FSSC22000 の認証を取得した。大阪工場での SQF 取得の経緯について、吉田氏は次のように当時を振り返る。「当時、アメリカの流通大手に商品を扱ってもらおうという計画があり、その条件として GFSI が認める食品安全規格を取得する必要がありました。その頃は、国際規格を取得した菓子事業者の例は国内であまりなく、何をどのように進めるのかという点からのスタートでした。様々な GFSI 承認規格を調査していく中で、SQF は品質マネジメン トも審査対象となっており、当社の方向性とも合致していることが分かり、SQF を取得することにしました。日本人の審査員がいたことも、SQF取得の後押しとなりました」

ISO22000によるHACCP導入を以前、検討したが、HACCP自体は健康被害のみを対象としているため、微生物危害がほとんどない菓子事業においては、金属混入などの防止しかHACCPプ ランに盛り込めないことになる。既に金属混入対策を含む独自の様々な厳しい基準にのっとり品質管理を図っているにもかかわらず、HACCPプ ランでその一部のみを手順化しても負担が大きいだけで、当時はメリットがないと判断した。

坂戸工場についても、SQFの取得を当初検討していた。しかし、国内でFSSC22000の認証が活発化したこともあり、急きょ FSSC22000に変更。テュ フズードのサポートもあり、あわてることなく申請、取得できた。

 

認証機関選定の基準

認証機関は、審査員の質で選んだという。「SQF の細かい要求事項を杓子定規に捉えると、実現できていないと解釈できる部分もあります。SQFが食品安全を目的とした認証である以上、些末な文言ではなく、その目的に沿った見地から食品工場はどうあるべきかを考えて、文言を解釈し、 適用すべきだと考えています。表現に拘泥し、製造プロセスをみないのは、本末転倒です。食品工場の製造 プロセスやリスクを良く理解していれば、適切に規格を解釈し、改善の 指摘を行うことができます。そこで、食品業界に精通している審査員がいる認証機関を選ぶつもりでした」と、吉田氏は、認証機関の選定の基準を語る。

 

テュフズードを選んだ理由

吉田氏によると、テュフズードの審査員は、食品業界に造詣が深く、 食品工場内の製造プロセス、リスクやハザードも良く理解しており、審査員としての経験、センスともに評価できたという。「ISO9001の審査員が食品安全マネジメントシステムの審査員となっただけの認証機関や、規格の目的よりも文言を重視し、本質的な部分をおろそかにしている感じがする審査員も多い中、テュ フズードの審査員は、菓子工場の製造現場の視点と食品安全マネジメン トシステムの視点とをうまく調和さ せ、実際の品質アップに有益なアド バイス、提言が期待できると判断しました。」(吉田氏)

どのようにすれば審査員の質が分かるのかについて、吉田氏は次のように話す。「トレーニングコースやセミナーに参加するなどして、審査員と話をすることです。そうすれば、審査員のバックボーンや食品安全マネジメントシステムに対する姿勢が見えてきます。自社の思想と審査員の姿勢がマッチするかで判断すればよいのではないでしょうか」 FSSC22000の認証もテュフズードに依頼した。SQFと異なり多数あるFSSC22000の認証機関の中からテュフズードを再び選んだのも、やはり審査員の質が理由であった。

 

認証取得の効果

SQF、FSSC22000を取得することで、取引先からの信頼を獲得でき、販路拡大にもつながるとともに、食品安全体制を整えていることをアピールできるようになったという。「他社に先んじて、今回、SQF、FSSC22000を取得したことで、対外的にも当社をアピールすることができるようになりました」(吉田氏)

認証取得の副次的効果として、従来は、内部監査で指摘された改善要求事項でも対応が遅れがちになる時があったが、外部認証機関から指摘されると、社内の意識が高まり対応の優先順位があがり、よりスピーディーに品質管理体制の確立、改善ができるようになったことが挙げられる。

 

テュフズードに対する評価

SQF の予備審査や認証に立ち会った吉田氏は、テュフズードの対応を次のように評価する。「テュフズードの審査員は、菓子工場の現場の考え方、見方をよく理解していました。原料から製品ができるまでのプロセスをきちんと見ており、当社がやらないといけないと認識しつつも、食品安全には直接影響しないため、後回しにしていた部分を全て指摘されました。認証の要求事項と製造現場の双方に精通していないとできないことです。先週、大阪工場の SQF の再認証審査に立ち会いましたが、そのときも鋭い質問をいくつもされ、答えられなかった部分もありました。衛生管理に影響は与える事項ではありませんでしたが、視点の鋭さには感服しました」

一言で認証取得と言っても、取得までには様々なプロセスを経る必要がある。知識を共有するミーティング、要求事項に即さない部分の分析とその改善方法の検討、予備審査、認証と、いくつものプロセスの積み重ねによって初めて認証を取得できる。全てのプロセスを確実にこなす ことが求められているのである。テュフズードのサービスは、各プロセス、 全てにおいてきちんと対応しており、現場社員からも信頼されていた。

「トレーニング、予備審査、審査の第1段階、第2段階という流れの中で、 テュフズードの審査員は、視点が一貫しており、ぶれませんでした。その点は、工場の現場のメンバーも評価しています。現場は、職人気質で、こだわりを持って製造しているので、ぶれたことを言うとすぐに指摘してきます。しかし、今回の認証に際しては何らの指摘もなく、納得して改善のための施策を実行していました。また、テュフズードとのやり取りを通じて、認証取得プログラムに取り組む姿勢が前向きになりました。現場のことを分かった上で、食品安全体制を指摘してくれているというテュフズードへの信頼が現場にもあったのだと思います」と吉田氏は、当時を振り返る。

 

今後の取組みと今後の期待

明治の菓子部門では、グループ会社を含めた各工場でGFSI承認規格を積極的に取得していくという。

「テュフズードには、GFSI承認規格の取得の当初からつきあってもらいましたが、その対応について、とても満足しています。今後も、菓子工場を、菓子工場の視点で厳しく見て欲しいと思います。特に、今後の維持審査、再認証審査の際には、厳しくチェックしてもらいたいですね。そうすることで、明治の食品安全体制をより優れたものにしていければと考えています。

今後とも、色々な面でのサポートをよろしくお願いいたします」と吉田氏は、テュフズードへの期待を述べ、締めくくった。

 

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