医療規則に適合するためのアディディブマニュファクチャリング プロセスバリデーション
安全で再現性のある製造結果を保証する
アディティブマニュファクチャリング(積層造形、3Dプリンティング、以下AM)は比較的新しい生産技術のため、一般的に品質保証に関する知見が不足しており、最終製品へのAM技術適用を遅らせている要因の一つになっています。これは、AM技術の活用メリットが大きい航空・宇宙・医療機器をはじめとする規制産業分野にとって、早急に解決すべき課題といえます。
この課題に対し、規制産業において従来から実践されている手法―すなわちプロセスチェーン(図1)に沿った品質関連の特性や要因に対応した製造プロセスを規定し、プロセスバリデーション(図3)を行うことで、要求に見合った品質をプロセスで保証する手法―を、AMにも適用する時流があります。さらに国際標準規格(現在ドラフト版が公開されているISO/ASTM 52920、金属材料のケースではISO/ASTM TS 52930:2021など)をベストプラクティスとして活用する流れもあります。
このホワイトペーパーでは、AM技術による医療機器の製造を想定し、欧州医療機器規則(MDR)、医療機器の品質マネジメントシステムISO 13485 に沿ったプロセスバリデーションについて実務的な観点から考察しています。医療機器はもとより、航空・宇宙・自動車など他の規制産業であっても、AM製品の品質保証アプローチについて検討する際、参考になる内容です。
内容
- プロセスチェーン/ワークフローの適格性評価とバリデーション
・プロセス/ワークフローのバリデーションステップ
・AMプロセスの適格性評価の指針としてのISO/ASTM 52904 および ISO/ASTM PWI 52930 の有用性に関する解説
・AM造形品の後処理に関する説明
・サプライヤーおよび下請事業者に関する説明
- AM人材に必要なスキル
本書のメリット
関連サービス
- 個別研修: AMプロセスバリデーション (オンライン 4時間 x 2日)
・ プロセス(工程)のアウトプットが実質的に規格内であること(不具合がないこと)を前もって保証しておくことをプロセスバリデーションと呼びます。
・プロセスからのアウトプットが規格内であるかどうかは、計測や非破壊検査により事後的に検証できる項目と、そうで ない(破壊検査しなければならない)項目があります。
・後者の項目について品質を保証するにはプロセスバリデーションが有効です。本研修では AM のプロセスバリデーションについて具体例や関連規格をまじえて解説します。
・既存の品質マネジメントシステム規格群では共通して、製造物の品質について監視または測定で検証することが不可能であるか、検証を実施しない場合はプロセスバリデーション実施の旨を要求しています。
・AM製造サイトを対象とした品質保証プロセス要求についての国際標準規格 ISO/ASTM 52920 もプロセスバリデーションについて言及しています。
・国際標準規格 ISO/ASTM TS 52930:2021(適格性評価の原則 PBF 金属レーザー装置の IQ/OQ/PQ)も AM プロセスバリデーションの実践フェーズについて規定しています。
- 個別研修: ISO/ASTM TS 52930:2021 (PBF-LB 積層造形装置の適格性評価)の解説 (オンライン 4時間 x 1日)
・プロセスバリデーションとIQ/OQ/PQ の概要、 ISO/ASTM TS 52930:2021 の概説、この規格の使い方 等
・AM 装置のユーザー :品質保証のための、装置に求める要件と評価方法がわかります。
・AM装置のサプライヤー:装置導入後、お客様が何をどう評価するかにあわせ、どのようにフォローすべきかがわかります。
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