ケーススタディ

フジコン株式会社

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フジコン株式会社

内部監査員は50名超!
マネジメントシステム認証を、人材育成と事業成長のチャンスに
 


多くの企業が取得しているISO 9001(品質マネジメントシステム認証)と、ISO 14001(環境マネジメントシステム認証)。いわば取得が当たり前のようになっている認証だが、年1回の審査に対し、必要に駆られてやむなく対応しているという企業も少なくない。

フジコン株式会社(本社:東京都大田区)は、監査の機会を積極的に活用している端子台メーカーである。同社 山梨事業所の従業員は、なんとほぼ全員が内部監査員の資格を持つ。資格保持者と新入社員がチームを組み、時にはテュフズードジャパンの審査手法も取り入れながら、内部監査を実施しているという。

このように会社一丸となってマネジメントシステム認証に取り組む体制は、どのように構築されたのか。大島右京さん(フジコン株式会社 代表取締役社長 兼 営業部長)、平井邦明さん(同社 山梨事業所 取締役部長)、梶原三起子さん(同社 山梨事業所 環境品質部 環境品質課 課長)にお話を伺った。


フジコン株式会社について


フジコン株式会社は創業55年の歴史を誇る端子台メーカー。東京都大田区に本社を、山梨県南都留郡に事業所をかまえる。制御盤や電子機器、およびその内蔵部品となるPLC,電源などに使用する端子台を製造している。

山梨事業所はISO 9002認証を経て、2003年にISO 9001認証を取得。同年、品質マネジメントシステムの構築範囲を営業部門・設計部門に拡大した。2006年にはISO 14001を取得している。ISO 9002、ISO 9001、ISO 14001のいずれもテュフズードジャパンから取得した。

 


世界標準のマネジメントシステムで、「端子台屋さん」から「端子台メーカー」へ


認証を取得する前は、社内でもさまざまな意見があったという。「ISOを取得しなくても、それに準拠した自社スタンダードを構築できればいいのでは?という声も当時はありました。ただ、お客様からマネジメントシステムのニーズを聞くようになったのもこの頃なのです。また、ある程度の縛りが無いと定着しないという過去の経験から、認証取得に至りました。」と平井さん(山梨事業所 取締役部長)は語る。

「当時は、『端子台屋さん』と言われていたような時代。世界標準のマネジメントシステム認証で組織を固め始めたことで、端子台屋さんから端子台メーカーという企業体へと成長するきっかけになったのではないでしょうか。」

写真左から:大島右京さん(フジコン株式会社 代表取締役社長 兼 営業部長)、平井邦明さん(同社 山梨事業所 取締役部長)、梶原三起子さん(同社 山梨事業所 環境品質部 環境品質課 課長)


「厳しいところで認証取得していますね」と(笑)。権威性のある認証機関を選ぶ意義


テュフズードとの付き合いは、2003年以前から受けていた製品認証にさかのぼる。

「テュフさんは、製品認証の工場検査において、製品の確認よりも、生産システムの確認を重要視していらっしゃって。このような方針に共感し、業界内での高い権威性も感じていたことから、審査の厳しさを承知の上でテュフプロダクトサービスジャパン(現テュフズードジャパン)に認証審査も依頼しました。」(平井さん)

「名刺にテュフズードのロゴがあると、『厳しいところで取られていますね』とよく言われたものです。もう少し楽なところで受けておけば…なんて思ったことも」と笑うのは、大島さん(代表取締役社長 兼 営業部長)。「今の状況を見ると、厳しい権威性の認証機関にお願いして本当に良かったと、心から思います。」


内部監査員を15名から50名に。入社1年目から、見習い監査員として立ち会う


マネジメントシステム認証の取得により、品質・環境方針および経営方針がより強固なものとなった同社。しかし認証取得後、内部監査の実施に課題を抱えていたという。

「ISO 9001の取得後、15名ほどの内部監査員で対応していたのですが、日常業務との兼ね合いもあり、内部監査がどうしても負担になってしまい、形だけの監査になっているような気がして悩んでいました。」と話すのは、社内のISO事務局として対応する梶原さん(山梨事業所 環境品質部 環境品質課 課長)。

内部監査の見直しを図るきっかけとなったのは、テュフズードジャパンの審査員の言葉だった。

「審査のクロージングミーティングで、(テュフズードジャパン)審査員の吉田さんから『監査は年に1回のせっかくのチャンス』と言われたのです。この言葉を社内で利用させてもらって、『テュフさんが言ってるんだから、やりましょう!』と(笑)。そしてこの言葉をきっかけに、内部監査の実施方法を一から見直しました。」と茶目っ気たっぷりに、しかし真剣に話す梶原さん。「毎年約6名の社員が外部の研修を受け、内部監査員の資格を取得するように。今では約50名の内部監査員がいます。新入社員以外はほとんど資格を持っていますね。」

内部監査のチームは「監査リーダー・アドバイザー・見習い監査員」の3人1組チームで構成され、内部監査員の資格保持者がリーダーまたはアドバイザーとして参加し、入社1年目の新入社員が見習い監査員として参加する。チームは、内部監査前に事前打合せを実施し、監査項目を決めてから監査に臨む。見習い監査員は、ノギスの校正日確認などの簡単な監査からスタート。このような監査の経験を通じて、新入社員は組織の流れに早いうちから触れ、他部署の業務を学ぶ機会を得られる。


監査は人材育成の場であり、他部署への理解を深める場でもある


大島さんは次のように語る。「現在の内部監査の仕組みは、人材育成の一環となっており、大きな企業価値だと思っています。社員同士でただ監査をするのではなく、業務を改善するための目線を持って互いに指摘をするわけです。」

「自部署以外の業務というのは、なかなか見えないところ。それが内部監査を通じて、他部署の困りごとや課題を知ることができます。他者を思いやれ、理解できる人材が50名もいるのです。」

他部署の監査を実施するチームリーダーは、自部署が監査を受けるときのリーダーにもなるという。「他部署を監査するからには自部署も、ということですね。当事者意識を持つ社員が本当に増えたと実感しています。他部署はこんな苦労をしていたのか、という声も聞かれるようになりました。事務局として、現在の仕組みにして本当によかったと思います。」(梶原さん)

「他社の方とお話をする機会が多いのですが、ここまで内部監査を手厚く実施しているところはほとんどないと思います。マネジメントシステム認証の取得、そして審査での言葉をきっかけに、会社一丸となって監査にあたることが当たり前の体制になりました。吉田さんに感謝です。」(大島さん)


時にはテュフズードジャパンの審査員の手法も取り入れ、モチベーションを高め合う


内部監査の抜本的な見直しと、新たな仕組みづくりによって、「前向きに監査と向き合う」企業風土を作り上げた同社。テュフズードジャパンの審査を、内部監査の質を高める機会としても捉えている。

「審査の際、被監査部門とテュフさんがいて、実はその場に他部署の見習い監査員もぽつんといるんです。吉田さんの上手な質問方法や切り込み方を学び、それを内部監査に活かそうと。」と話すのは平井さん。

「(テュフズードジャパンから)学んだのは、良い点も指摘するということ。悪い点はどうしても見つけやすいのですが、テュフさんは良い点も必ず見てくれます。そうすると社内のモチベーションが高まり、次もまた褒められるところを作ろうとポジティブな動きになるわけです。内部監査には自分も立ち会いますが、時々『あ、テュフさんの真似をしているな』とピンときますね。」と微笑む。

そのほか、テュフズードジャパンの抜き打ちチェックの手法も参考にしているという。目についたフォルダや検査員の記録を抜き打ちでチェックするといった、細かな手法も取り入れている。

「質のいい内部監査ができる会社になれたらいいなと。ただ忘れてはいけないと思うのは、テュフさんは相手の事情も紳士的に聞いてくださるということ。社内のクロージングミーティングの際、相手に感謝の気持ちをもって対応することを心掛けるようにと社員には伝えています。」(平井さん)


審査は、1年の成果発表の場。毎年レベルアップを続ける


テュフズードの手法も参考にしながら、毎年レベルアップを続けるフジコン株式会社。テュフズードジャパンの審査員(吉田)は次のように話す。「フジコンの皆さんは私の手の内をお見通しですので、こちらも毎年作戦を立てないといけないですね(笑)。お客様とコミュニケーションを深く取ることは、審査員にとってもエネルギーが必要です。テュフズードとしては、できる限りたくさんの発見をし、ご提案をできるよう心がけています。」

「毎年その時の力量に合わせてくれて、ちょっとずつ審査の難易度をあげてくれて。今ではどのお客様の監査を受けても、大きな指摘を受けない会社になりました。」(平井さん)

「単なる指摘ではなく、一緒に良い方向へ導いてくれる吉田さんの審査は、当社の社風にとてもあっていると思います。各部署緊張しながらも、臆することなく監査に挑んでいる所がISO事務局としてとても良いと感じています。改善点はまだまだたくさんあります。テュフさんの審査は、1年間の成果発表の場のように感じますね。」(梶原さん)


社会的責任への意識の高まりを受け、ISO 14001を取得


同社は、2003年にISO 9001、そして2006年にISO 14001をテュフズードジャパンから取得し、毎年同日に両認証の審査を受けている。ISO 14001もテュフズードから取得した背景について、平井さんは次のように語る。

「(テュフズードジャパンからは)今後の事業が立ちいくように、あるいは成長していけるように、その一助になろうというスタンスを感じます。そのようなスタンスをもって審査してくださる機関にお願いすることに価値を感じて、9001だけでなく、14001もお願いしました。」(平井さん)

また、ISO 14001を取得した背景ついて、梶原さんは次のように話す。「社会的責任への意識の高まりや、お客様からのニーズに応えてという部分はあります。環境へアプローチの仕方について、世界的な標準の考え方を教わることができ、維持できることが認証取得のメリットです。」

さらにISO 14001の審査については、「今年は、CO2排出量などの観点をアドバイスいただきました。頭ではわかっているもののなかなか取り組めていない部分でしたので、これから取り組んでいきたいですね。」と語る。


今後の展望 ― 必要に駆られてやるか、先んじて取り組むか


品質マネジメントシステム認証、環境マネジメントシステム認証の取得をきっかけに、内部監査の仕組みづくりや人材育成、経営品質の向上に注力してきたフジコン株式会社。将来的には、航空宇宙産業品質マネジメントシステム認証のJIS Q9100(EN9100/AS9100)や、CSRの視点から労務管理マネジメントシステムも視野に入れているという。

「必要に駆られてやるか、先んじて取り組むか。我々は、先んじて取り組まなければという気持ちでいます。」と平井さんは語る。

そして大島さんは次のように力を込める。「今は社員全員がマネジメントシステムとは何かを理解したうえで、監査に対応しています。マネジメントシステム認証が、経営品質を高めるきっかけになりました。当社の企業理念「幸せづくり。笑顔づくり。」を体現していくために、さまざまな認証や、SDGsをはじめとしたCSR活動などに積極的に取り組んでいきます。」


「100年企業」に向けてあらゆることに前向きに取り組む端子台メーカー、フジコン株式会社。さまざまなものを「つなぐ」事業さながら、マネジメントシステム認証を通じて社員同士をつなぎ、部署間をつなぎ、そして会社と社会をつなぐ。今後も新たな分野や人材とつながりながら、パワフルに前進を続けていく。

フジコン株式会社とテュフズードジャパンのチーム。
「つくる責任 つかう責任」の取り組みとして、製造工程の不用品を用いたアート作品の前で。
写真左から:平井さん、大島さん、梶原さん、吉田(テュフズードジャパン マネジメントシステム部部長・審査員)

 

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