ケーススタディ(事例紹介)

日本航空株式会社(JAL)

日本航空株式会社(JAL)


日本航空株式会社(JAL)

ブランド認定試験のテクニカルサポートで、
IC決済サービスの導入・セキュリティ強化を実現


国内でクレジットカードをはじめとするIC決済を導入しようとしたとき、各カードブランドから要求事項として与えられる試験があります。それが「ブランド認定試験」。これをクリアしなければ、IC決済システムや端末を店舗等に導入することはできません。さらに2018年6月1日施行の割賦販売法において、クレジットカード加盟店に新たな義務も加わりました。

これを受け、日本航空株式会社(以下JAL)では、新たなIC決済ソリューションの導入のためのプロジェクトを始動。ブランドごとに異なる試験項目や、決済システム特有の手順など、ブランド認定試験の壁を乗り越え、2021年、全国の空港にIC決済システムが導入されました。

このたび、ブランド認定試験のサポートサービスを提供したテュフズードジャパンから、プロジェクト当時の課題やエピソードなどをご担当者に伺いました。
 

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  • お話を伺った方:

山口 泰敬様: 日本航空株式会社 旅客営業本部 業務部 ペイメント企画グループ所属。ペイメントという切り口から、お客様に喜んでもらえるようなサービスの提供、サービス向上を目指す。併せて法規制の対応も担当。

蒲野 秀之様: 日本航空株式会社 デジタル推進部企画グループ所属。予約発券システムのうち、予約部分の導入や管理をメインで担当。

子安 由利子様: 日本航空株式会社 デジタル推進部企画グループ所属。予約発券システムのうち、発券・支払部分の導入や管理をメインで担当。

(以下敬称略)

 

左から:蒲野様、山口様、子安様
インタビュアー:テュフズードジャパン株式会社 マーケティング部


―まずは、今回のプロジェクトの背景を教えてください。

(蒲野) 割賦販売法*の改正を受けて、クレジットカードの不正利用対策に取り組むためのプロジェクトが社内で立ち上がりました。具体的には、空港や市内支店の対面チャネルのクレジットカード決済にIC決済を導入することになり、そのためには各カードブランドへの認定試験を行う必要がありました。そのブランド認定試験のサポートを、テュフズードにお願いさせていただいたという経緯ですね。

(子安) IC決済ソリューションの「Amadeus Airport Pay」を導入するにあたり、認定試験の対応も含め、JALとして使えるように導入・調整していきました。2年間のプロジェクトの中で、サーベイ、ブランド認定、そして全国の国内線・国際線で利用するための教育や機器配備までを行いました。

 

*割賦販売法(2018年6月1日施行)

クレジットカード加盟店に対し、以下が新たに義務付けられた。

・クレジットカード番号等の適切な管理(第35条-16第1項)

・クレジットカード番号等の不正利用防止(第35条-17-15)


「そもそも認証とは?」というところから、
  サポートいただけると嬉しいなと


―テュフズードジャパンを知るきっかけは何でしたか。

(山口) このプロジェクトが始まるずっと前になりますが、決済業界の知見を得るために、テュフズード主催のセミナーに参加したのがきっかけですね。

 

―テュフズードジャパンにサービスを依頼した決め手を教えてください。

(山口) 今回のプロジェクトが立ち上がった時、自社内でブランド認定試験を完結させるのは厳しいと思ったのです。そこで、テュフズードジャパンのような会社に相談してみてはどうかとメンバーに伝えました。

(蒲野) テュフズードジャパンを含め、数社にRFQ(見積依頼書)を提示し、その上で、価格も含めて総合的に判断しました。テュフズードジャパンはすべての項目に対応可能でしたね。

(子安) 一担当としては、親身にサポートいただけるかというのはやはり重要でした。航空券の発券や支払いとは次元が違うようなお話でしたので、「そもそも認証とは?」というところからサポートいただけると嬉しいなと思っていました。


それぞれの試験項目が、何を確認するためのものなのか
一歩踏み込んだサポートをしていただけた


―プロジェクト期間中、テュフズードジャパンのサポートによって解決できた点を教えてください。

(蒲野) まず、ブランド認定試験で求められるものや、手順、お作法がわからないところからスタートしましたので、このような基礎知識を身に着けていくことが第一の課題でしたね。テュフズードジャパンのサポートにより、ベースの構築と、あとは試験の重要度や堅さといった、カード業界独特の空気感をとらえていくことができたと感じています。

(子安) ブランド認定試験には、ブランドごとにさまざまな試験項目やチェック方法、報告方法があるわけですが、それらが何を求めているのか、(テュフズードジャパン)担当の大崎さんや有路さんから丁寧に教えていただけました。「通常はこうだが、今回のケースだと…」と細かく説明いただいて。

また、システム側に修正をかけなければいけないときも、テュフズードジャパンのサポートをもとに、修正をかけることができました。ただ認証をするだけでなく、一歩踏み込んだサポートをしていただけたと感じています。

(蒲野) あとはカード会社のシステムの仕組みといいますか、「そんな動きをしているのか」と。総合的にシステムの動きや中身を理解した上で、業務を進めることができました。

 

―決済の高機能化にあたっては、セキュリティを上げることも要されますね。

(子安) 「こんなデータが後ろでやり取りされているんだ…」と。レシートの見方もわかるようになりましたね。


きめ細やかなサポートで、
海外と日本仕様の溝を埋めることができた


―特に苦労された試験項目はありますか?

(子安) IC決済時に格納される「EMV Tag」の認識について、一部ブランドでは日本と海外での認識が異なっていたことがわかったときは、インパクトが大きかったですね。Amadeus社は海外ベンダーですので、「海外ではこのように実施している」と、海外で利用することを前提としたデータを渡されるのです。そのデータ量も膨大で、構成を理解するまでに時間がかかりました。

(蒲野) 今回のブランド認定試験は日本地区での利用という仕様でしたので、テュフズードジャパンには、海外と日本仕様の溝を埋める、きめ細やかなサポートをいただいて感謝しています。

 

―そのほか、印象に残っていることはありますか。

(子安) ブランドによって試験の分量や進め方が異なるんですね。個人的な意見を言えば、統一してほしいなというところです。基本的な部分を理解するまでに時間がかかりましたので。

(蒲野) あとは、パートナーが多くて大変でした。各パートナーとスケジュールを合わせて進めていくことが要され、かつ航空業界と比べて全体的にリードタイムも長かったので、スケジュールインパクトは大きかったです。

(子安) また、本来なら、Amadeus社としても、来日してワークショップという形で進めていくことを考えていたようなんです。ただ、それを実現させるのは状況的に厳しかったですね。Amadeus社の本社はフランスなので、リアルタイムで試験を見てもらうというのも時差的に厳しく、苦労しました。


 お客様との接点で、
「支払い」という切り口は必ずついてくる


―今後の展望について教えてください。

(子安) プロジェクトは終わりましたが、今も継続的にシステムのサポートをしています。今後も、これまでと変わらず、お客様の利便性を高める機能を増やしていきたいと思っています。

(山口) お客様との接点で「支払い」という切り口は必ずついてきます。いかにお客様に喜んでいただける「支払い」手段を供給していくか?ということはもちろん、セキュリティという観点もますます重要になります。さらに現在、多種多様な支払い手段が存在しています。これは日本にとどまらず、各国同じ状況です。どのような形でそろえていくかも含め、サービスを拡大していきたいと考えています。

 

―最後に、テュフズードジャパンに期待することや、何か補足がありましたら教えてください。

(蒲野) 契約内容に対する柔軟な理解、対応は引き続き強みとして持ち続けていただきたいです。価格競争力も高いので、こちらも継続していただきたいですね。

(山口) 今回のプロジェクトで、私の部署は加盟店の窓口として指導を受ける立場で、蒲野・子安のチームはシステム開発をする立場でした。蒲野たちは大変だったと思うのですが、テュフズードジャパンのみなさんと一緒に、チームワーク良くすすめているのが外から見ていてよくわかりました。担当の有路さん、大崎さんは柔軟に対応してくださって。すごくいいチームでした。

 

―(テュフズードジャパン有路)私たちの打ち合わせスペースが見えるところに、山口さんが座っていらっしゃって。見守っていただきました。

(山口)内心、大丈夫かなあと(笑)。「ああ、信頼関係が築けているな」と、外からでもよくわかりました。

 

―営業冥利に尽きます。今回はインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。

左から:蒲野様、有路(テュフズードジャパン)、山口様、子安様

 

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